カイコで世界的なタンパク質不足解消目指す。モルス、栄養豊富な“カイコ原料”の研究開発加速へ
Techable / 2022年1月5日 13時0分
近年、世界的に“タンパク質不足”という課題が浮上しています。
こういった地球規模の課題の解決策として「カイコ原料」に着目したのが、2021年4月に創業したMorus株式会社(以下、モルス)。栄養豊富で量産に適したカイコを活用したバイオ原料を、食や医療をはじめ飼料や化粧品などの幅広い領域に持続的かつ大量に提供すべく、研究開発を進めています。
そんな同社が、カイコの品種改良の研究開発やプロダクト開発、採用・組織体制の強化を目的に、シードラウンドで5000万円の資金調達を実施。同時に、共同創業者である信州大学繊維学部の塩見邦博教授を社外取締役に迎え、研究開発と技術の事業化を加速させる構えです。
品種改良と量産で「カイコ原料」を作るモルスが着目したカイコは、タンパク質を多く含み、ほかの昆虫では確認されていない有用成分の研究も進んでいる昆虫。また、逃げない・共食いをしない・桑の葉しか食べないため低コスト低環境負荷など、量産に適した性質を備えているのも特徴です。
同社は、カイコを持続性の高い原料として世界に供給することを目指し、研究開発およびプロダクト開発を推進中。
研究開発においては、食品・飼料・宇宙など各産業界と連携し、カイコの高速品種改良を通じて目的に応じた形質を備えたカイコの作出に注力しています。この技術が確立すれば、「食用に適したカイコ」「宇宙空間での育成に適したカイコ」などを生み出すことができるようです。
プロダクト開発においては、目的に即した形質のカイコをパウダー化し、食用・医薬品用・飼料用など各用途に向けて原料供給できる形の「カイコ原料」を生産しています。
日本発「カイコ原料」の研究開発・事業化を加速かつて絹・養蚕業は、日本の経済発展を支えた基幹産業であったこともあり、日本の養蚕技術および研究技術は世界的に進んでいると言われています。しかし、高齢化などにより産業自体が衰退しているというのが現状。そんななか、モルスは日本で有数のカイコ研究を行っている信州大学とタッグを組み、日本発の「カイコ原料」で世界のタンパク質不足などの課題に立ち向かおうというのです。
そしてこのたび、ANRI 4号投資事業有限責任組合およびSamurai Incubate Fund 6号投資事業有限責任組合を引受先とした第三者割当増資により5000万円を調達。塩見教授の参画も追い風に、「カイコ原料」の研究開発と事業化を加速するとのことです。
PR TIMES
Morus株式会社
(文・Higuchi)
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