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ミニマムでリリース、週2でアプデ。誰でも使える日程調整ツール「Tocaly」PdMのこだわり

Techable / 2022年1月25日 12時0分

7ステップーー。

ラッキーセブンではありません。ダンスでもありません。ビジネスパーソンが、社内外との日程調整に要する工数です。

コロナ禍でオンラインミーティングが一般的になるにつれて、日程調整のやりとりもメールが主になりました。「大変だけれど、仕方がない」と思いつつ負担に感じている人もいるのではないでしょうか。

そんななか、株式会社TimeTreeは、2021年7月に日程調整ツール「Tocaly(トカリー)」をリリース。「摩擦レスな方法で空き時間の最適な消費を促す」をミッションに掲げ、日程調整の“わずらわしさ”を減らすため、この瞬間も挑戦を続けています。

今回は、Tocalyのプロダクトマネージャー・吉本氏にお話を伺ってきました。そこには、TimeTreeらしいユーザー体験や新規事業を成功に導くためのこだわりがありました。

時間もエネルギーも消費する日程調整

ーー株式会社TimeTreeといえば、社名にあるようにカレンダーシェアアプリ「TimeTree」をイメージする人が多いと思います。まずは、「Tocaly」について教えていただけますか。

吉本:Tocalyは、2021年7月にリリースした弊社2つ目のプロダクトです。TimeTreeもTocalyも「明日をちょっとよくする」というブランドプロミスのもと、時間にまつわる課題を解決したいという思いから生まれました。

Tocalyでは日程調整における課題解決を目指していて、日程調整の“わずらわしい”ステップを減らしたいと思っています。

ーー日程調整の“わずらわしい”ステップとは?

吉本:日程調整を細分化すると最低でも7つのステップがあります。まず、候補日を複数出してメールに転記して……と日程を抽出するだけでも疲れるじゃないですか(笑)

打ち合わせがたくさんある日は「これ以上予定入れるのは避けようかな」とか、重要な打ち合わせがある前は「前後の時間を空けておきたいな」とか、考えながら日程を決めるのは意外と頭を使います。

とくに、リモートワークでは、大小問わず社内外とのコミュニケーションを「予定」という形でスケジューリングすることが多いので、予定が詰まりすぎる傾向があります。移動時間はないですし、休憩時間の線引きも曖昧なので、自分でどこにどの予定を入れるかをコントロールしながら、日程調整をする必要があります。

考えた候補日をメールに転記するのも大変ですよね。メール文を考えて、日にちと曜日が合っているかを確認して、と少なからず手間がかかります。

しかも、提案した日程が相手にとって都合が悪ければ……。

ーーまた一から考え直しですね。

吉本:そうです。

さらに、コロナ禍でオンラインミーティングが増えていますから、日程調整に加えて「オンラインミーティングのURLを送るために相手が日ごろ使っているツールを確認する」などの新たなステップが加わるわけです。

「直感的」「簡単」「シンプル」を追求

ーーTocalyは何ステップで日程調整できますか?

吉本:3ステップです。

まず、サービス上で候補日時を選んで調整ページを作成します。次に、発行した調整ページのURLを相手に送ります。最後に、相手は調整ページ内のカレンダーにある候補時間から参加可能な日程を選ぶ、と。

エクセルやスプレッドシートのようにドラッグとクリックで操作ができます。

ーーかなりシンプルですね。

吉本:そうですね。とにかく、シンプルで誰でも使えるようにしたくて。

今はオンラインミーティングツールとの連携や複数人での日程調整などにも対応していますが、リリース当初は1対1の日程調整にフォーカスしていました。

というのも、サービスを開発するときに、営業職や人事職、士業の方など日程調整が多そうな職種・業種の方たちにご協力いただいてインタビューをしたんです。日程調整ツールに対して複雑そうというイメージを持っていたり、まったく知らなかったり、という方が結構いました。

ーー日程調整ツールって意外と浸透していないんですね……。

吉本:IT界隈では、知っている方が多いのかもしれません。それに、IT系の方たちはちょっと複雑な機能があったとしても自力で乗り越えられます。

でも、それ以外の方は違います。乗り越えられずに使うことを諦めてしまったり、いろいろと試しては脱落したり、そもそも使わなかったり……ということが多いです。

Tocalyは「日程調整にわずらわしさを感じているけれど、使いやすいサービスに出合えず、メールでのやりとりを続けている」という方たちでも直感的に使えるように、スムーズでわかりやすいユーザー体験の構築を心がけました。

そのため、サービスリリース当時はコア機能に絞って、ユーザー体験を検証することにしました。

リリースと検証を繰り返す

ーー機能を絞るというのは、勇気がいりませんか?

吉本:もちろん、MVP(Minimum Viable Product)でもなるべく使いやすいプロダクトというのは意識していました。

Tocalyは弊社の新規事業です。新規事業は、当たるかどうかわからない。むしろ外れることが多いと思うので、Tocalyのコアなコンセプトが実際にユーザーに刺さるかどうかを、まず確認することが重要でした。

検証のフェーズで構想中の機能をぜんぶ盛り込むわけにはいかないので、日程調整の中でも最もコアな1対1の日程調整にフォーカスして、MVPとしてサービスをリリースしました。

ーー今では、Zoom連携や複数人での日程調整などにも対応していますよね。週2回のペースでアップデートを行っているとか。

吉本:はい。大きな機能アップデートから小さいバグ修正や速度改善などまでを合わせると、基本的に週2回は何らかのリリースをしています。

課題の解像度などを高く持つのはもちろんですが、そのうえで、打ち手の数が大きく差をつけると考えています。機能を出してはユーザーにフィットしているかを検証して、あまりハマっていなかったら外す、というサイクルをどんどん回していかないと生き残っていけないと思っています。

そのため、とにかく「リリースして反応を見る」ということを繰り返すスピード感は意識しています。

ーー同席者を追加できるようになったときは、「おお!」と思いました(笑)

吉本:ありがとうございます。複数人での日程調整もオンラインミーティングツールとの連携も、弊社らしいUX設計になっています。

たとえば、同席者を追加するとアイコンがわかりやすくポンポンと表示されるのは、どこにもない体験だと自負しています。ユーザーが同席者を検索し、追加する流れやその表現方法も、ユーザーが日程調整する際の思考の流れに沿って組み立てています。

あと、オンラインミーティングツールとの連携には、かなりこだわっています。調整ページを作成するときに、あらかじめZoomやGoogle Meetと連携しておくと、調整相手は自分の使えるツールをその中から選ぶことができるんです。

「オンラインミーティングのURLを送るために相手が日ごろ使っているツールを確認する」というステップは必要なくなりますし、自動で発行されたミーティングURLは日程確定メールに組み込まれて自動的に送られます。これは、ユーザーフレンドリーな体験だと思います。

マナーの壁を乗り越えて次のステップへ

ーー機能が増えて、“わずらわしい”ステップが減って、御社らしさはそのままということですね。今後に向けて、課題があれば教えてください。

吉本:そうですね。日程調整ツールには、“マナーの壁”があります。

たとえば、営業職の方だと調整ページのURLを送ったクライアントに「日程を調整させている」ことになるのではないか?と懸念する方もいるんですよね。

とくに、日程調整ツールを使うことに心理的なハードルを感じるビジネスパーソンもいるので、これを和らげるようなプロダクトの施策を考えていきたいと思っています。

ーー海外展開はお考えですか?

吉本:今も、日本だけにこだわっているわけではないです。Tocalyは日本語と英語と韓国語に対応しているので、国境を越えて挑戦していきたいと思っています。

アメリカでは、合理的な考えで日程調整ツールが普及しやすい土壌があると思うので。日本と同じように世界中で使っていただけるとうれしいですね。

(文・Saki Amano)

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