Makersを読んで感銘を受けた人が、次に読むべき2冊「Fab」「Fab Life」【湯川】

TECH WAVE / 2013年2月9日 14時0分


[読了時間:2分]

 クリス・アンダーソンの近著MAKERS―21世紀の産業革命が始まるが話題になっている。また3Dプリンター関連のニュースを目にすることも増えてきた。工作機械の低価格化が進み、だれもが手軽に工作機械を使えるようになれば、どんな変化が社会に訪れるのだろうか。



 実はこの変化を予測するのは、ウェブの進化をウォッチしてきた人にとって、それほど難しいことではない。



 人間は、�自分が作り出すものの中に自分らしさを表現すること�その表現を他人から評価されること�自分が作ったものを通じて他人とつながること、に至上の喜びを得る、とカール・マルクスが言っているそうだが、その通りだと思う。 なので世界中で非常に多くの人が、ソーシャルメディアで自分を表現し、評価され、つながることを楽しんできた。文章で表現したい人はブログ、音楽・映像で表現したい人はニコニコ動画やYouTube、もっと気軽に表現したい人はFacebookというように。



 そして工作機械という自己表現のツールの低価格化が進み、どんどん使い勝手がよくなっていけば、当然、人々はモノづくりを通じて自己表現し、評価を喜び、つながりを楽しむようになるのだろう。



 作られたモノは、ブログ記事のように言語に限定されることはない。世界中のだれでもが評価できる。なので影響力はブログを超える。優れたアイデアは自由に世界中を飛び回り、YouTubeやニコニコ動画上のN次創作のような行為が、ハードのモノづくりの領域にも見られるようになるのだと思う。そういう意味で、これから起ころうとしている社会変化は、ウェブが起こした社会変化をはるかに上回るのだと思う。



 21世紀はそういう時代になる。その方向性の中で、コミュニティの再定義が起こるのだろう。先進国のモノづくりコミュニティと途上国のモノづくりコミュニティがつながって、アイデアを出しあうこともあるだろう。地方都市のコミュニティが、モノづくり、リサイクル、リペアを通じて、つながりを深めていくということにもなるだろう。個人が主役の時代、個人が自分で自分のものを作る時代。個人が仲間とモノづくりを楽しむ時代。それが最終的な方向なのだろう。



 その方向性の中で、ベンチャー企業が大企業のこれまでのやり方に対し挑戦するようになる。これも、これまでウェブで起こってきたことと同じ。



 ただこれまでのウェブはPCというハードの制約があって、影響を与えることのできる業界が限定されていた。主に音楽、ニュース、出版、ゲームなどのデジタルコンテンツの業界だけだった。それがモバイル機器というハードが登場したおかげで、リアル店舗のあり方にまで影響を与えようとしている。「O2O(オー・ツー・オー、オンラインからオフラインへの送客)」というキーワードがここにきて脚光を浴びているのは、スマートフォンの急速な普及があるからだ。つまりインターネットの影響力は、ハード機器の制限を受けてきたわけだ。

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