3度目の春に花開く~復興記念樹の今~

tenki.jp / 2014年4月24日 14時38分

「春を報(しら)せる百円桜プロジェクト」で植樹した東松島市のソメイヨシノが、3年目の春、ついに花を咲かせました。初めてソメイヨシノとシダレザクラの両方が咲いた現地の様子をお届けします。

東松島市の復興記念樹の桜(ソメイヨシノ)

東松島市の復興記念樹の桜(ソメイヨシノ)

2012年5月4日、東北の復興を願う「春を報(しら)せる百円桜プロジェクト」の第1弾として、宮城県東松島市矢本上沢目に、地域の皆さまのご協力をいただき、シダレザクラ15本とソメイヨシノ15本を植樹しました。
その後、2年目の2013年の春は、シダレザクラが見事な花を咲かせました。そして3年目となる2014年の春、ついに、ソメイヨシノが花を咲かせたのです。
嬉しい知らせをいただき、さっそく現地に向かいました。

初咲きとなるソメイヨシノの花々

初咲きとなるソメイヨシノの花々


崖の下にも3年、ついにソメイヨシノが花開く

この桜が植えられている場所は、矢本横穴古墳群そばの崖山の下。春には梅が咲き誇る、とても美しい場所です。目の前には畑が広がり、この畑を見下ろすように、桜の木は横一列に並んでいます。
地域の皆様が大切に手入れしてくださっているおかげで、3年目となる今年も、植樹した30本の桜たちはすくすくと元気に育ち、そのうち半分ほどの木が花または蕾をつけていました。
その中で一際目を引いたのが、今年初めて花を咲かせたソメイヨシノの花。1年前、シダレザクラは花を咲かせましたが、ソメイヨシノは花がつきませんでした。1年たった今、その木が可憐な花をつけていたのです。それも、1、2輪ではありません。まさに「石の上にも3年」ならぬ「崖の下にも3年」。まだ小さな木であるため、枝全体に花がつくわけではありませんが、空に向かって伸びる枝々には、白い花がいくつも咲いていました。

ソメイヨシノの木の全景。各枝に花が咲いている様子がわかる。

ソメイヨシノの木の全景。各枝に花が咲いている様子がわかる。


シダレザクラは今年も順調に開花

昨年に引き続き、シダレザクラも順調に花を咲かせていました。鮮やかなピンク色の花です。花や蕾は、昨年よりも確実にその数を増やしていました。まだ蕾のものも多く見られたので、これからもっと華やかな様子を見せてくれるでしょう。
そして驚いたのは、その生長ぶり。昨年は1mちょっとの高さの木がほとんどでしたが、今年は大きいものは2m近くありそうな高さです。来年は、いったいどれだけ大きくなっていることでしょう。今から楽しみです。

2度目の花を咲かせたシダレザクラ

2度目の花を咲かせたシダレザクラ


地域の皆さんに支えられて―2年目の苦労。そして、桜への想い。―

東松島市の復興記念樹は、地域の皆様にご協力いただき、定期的にの様子を見ていただいています。地域の代表の石垣様にお話しを聞いてみました。
まず、普段はどのようなお手入れをしてくださっているのかを尋ねたところ、普段は草刈りや、木の生長や天候(台風や雪など)に合わせて添え木の結び直しなどをしていただいているとのことです。
さらに、これまでで特に大変だったことはなんですか?とお尋ねしたところ、とにかく2年目が大変だったとのこと。まだ若い木なので、虫がつかないようとにかく気を配りました、と話してくださいました。30本の木が、すべて元気に3年目を迎えられたことが、石垣様をはじめ地域の皆様が大切に育ててくださっている何よりもの証だと感じました。
そして最後に、復興記念樹に対する想いをお伺いしたところ、「いつか桜が大きく育ったら、この場所を、桜が咲く春はもちろん、四季を通じて楽しむことができる広場にしたい。」と語ってくださいました。
このように、地域の皆様に支えられ、少しずつ花を咲かせる木が増えています。桜の生長が希望のシンボルであり続けるよう、私たちもお手伝いを続けていきたいと思います。
一方で、震災から3年が過ぎた今も、東北の各地で、未だ元通りにはなっていない現状もあります。現に、東松島市を走るJR仙石線は、今も高城町~陸前小野間が運転見合わせとなっていて、復興にはまだまだ長い道のりが続きます。
美しい季節の訪れを取り戻すことが、復興の一歩になると、私たちは信じています。
2年目はシダレザクラが咲き、3年目はソメイヨシノ、そして4年目は・・・少しずつ、けれど、確実に桜は生長を遂げています。きっと、30本の桜の木すべてが花を咲かせるのも、そう遠くないはずです。
これからも、復興記念樹の応援をよろしくお願いいたします。

石垣様親子(左)と日本気象協会東北支局の金丸氏(右)

石垣様親子(左)と日本気象協会東北支局の金丸氏(右)

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