井上尚弥の9・9米国防衛戦は軽量級の世界トップ5祭典という異例尽くし!

THE PAGE / 2017年6月20日 5時0分

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米国デビューが決まった井上尚弥(左)の視線の先にはロマゴン(右)が。(写真・山口裕朗)

WBO世界Sフライ級王者の井上尚弥(24、大橋)が9月9日に米国で同級7位のアントニオ・ニエベス(30、米)と6度目の防衛戦を行うことが19日、都内で発表された。大橋会長の「これが伝説の始まり。怪物がモンスターになる」という言葉通り、ロス郊外で予定されている米国デビュー戦は何から何まで異例尽くしだ。
 
 第一に米国デビュー戦で軽量級のトップ5が集結するビッグイベントのセミファイナルを務めること。
 メーンは、パウンドフォーパウンド(階級を考慮しないボクサーランキング)の1位にランキングされたことのあるローマン・ゴンザレス(30、ニカラグア)とWBC世界同級王者、シーサケット・ソー・ルンピサイ(30、タイ)とのダイレクトリマッチ。ロマゴンは、3月の対戦でシーサケットにダウンを奪われ判定でプロ47戦目にして初黒星を喫した。だが、中盤以降は盛り返していたため、その判定を巡って賛否の論争が起きてダイレクトリマッチが認められた。帝拳で行うジムワークのため来日しているロマゴンは、この日の会見に出席。「前回の試合は、負けたと思っていない。誤った判定が出た。今度は違う戦い方をする。コンビネーションを練習している。すべてをかけてKOを狙う」と誓った。

 アンダーカードも豪華だ。
 元WBC同級王者のカルロス・クアドラス(28、メキシコ)対元WBA世界フライ級のスーパー王者、元WBO世界フライ級王者のファン・フランシスコ・エストラーダ(27、メキシコ)の初対戦がWBC王座への挑戦者決定戦として組まれた。つまり勝者がロマゴン対シーサケット戦の勝者と次戦で対戦することになる。軽量級最強トーナメントと表現する海外メディアまであるイベントなのである。

 しかも、今回の試合は全米最大のケーブルTVネットワークであるHBOで放映されることになった。ボクシングは、HBOのキラーコンテンツで専門の部署があり、マッチメイク自体に関与して、有望ボクサーとは専属の試合契約を結ぶなど、ボクサーへの審美眼が厳しく、海外デビュー戦が、いきなり、そのHBOの電波に乗るのも異例だという(有料のPPVではないボクシングシリーズでの放映)。

 軽量級で初見参の日本人が、ここまでの待遇を受けるのは過去に例がない。

 現在、アメリカが主戦となっている帝拳の元WBC世界Sフェザー級王者の三浦隆司も、ミゲール・コット対サウル“カネロ”アルバレスの前座で防衛戦を行ったが、それまでメキシコでの防衛戦経験があったし、8月に、そのコットと過去の日本人最大のビッグマッチを戦う亀海喜寛も、4年前から米国で戦い、その名前とスタイルを売ってきた。マニー・パッキャオにしても、最初は“噛ませ犬”としての登用だった。今回の試合をプロモートした帝拳の本田明彦会長によると、三浦、亀海らが日本人ボクサーの米国での評価を高め、ファンだけでなく、プロモーターやメディア、各団体を含むボクシング関係者が、井上の米国デビューを待ち望んでいた証拠だという。

 ロマゴンが、これまで米国で見向きもされなかった軽量級の市場価値を高めたが、そのロマゴンが「ナルバエス戦で井上の名前を知った」と言うように、2014年12月に名王者、オマール・ナルバエス(アルゼンチン)を完膚なきまでに叩き潰してベルトを奪った試合が、ユーチューブやSNSなどで拡散。「日本の未知なる強豪」として井上の米国登場の待望論が渦巻いていた。

 9月に行われるミドルの3団体統一王者、ゲナジー・ゴロフキン対サウル“カネロ”アルバレスの試合の前座に井上のデビュー戦を押し込むことも可能だったらしいが、軽量級の祭典だからこそ、米国へ与えるインパクトが大きくなるとの理由で、今回のビッグイベントでのデビューが選択された。
 

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