フィリピンの子どもと夢のファッションショー 神戸女学院の生徒ら

THE PAGE / 2018年7月12日 17時10分

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[写真]自分たちの思いを語る神戸女学院大学の竹内美空さん(右)と鈴木瑠華さん=大阪市内で

 フィリピンのケソン市に暮らす貧困層の子どもたちを支援するため神戸女学院大学(兵庫県西宮市)の学生らでつくる団体が、現地の子どもたちをモデルにしたファッションショーを開いた。なぜ女子大生がフィリピンでファッションショーなのか。実行委員のメンバーにその取り組みについて聞いてみた。

ショーを通して子どもたちの夢を支援

 このファッションショーは、神戸女学院大学の学生を中心に構成されている「DEAR ME実行委員会」(メンバー16人)が毎年開催しているもので、今年2月の開催で5回目となった。同委員会は西側愛弓さん(2017年3月卒業)が企画して設立。認定NPO法人「国境なき子どもたち」(東京)などの協力で、2015年8月から始まり、1回目の時は800人の観客を集めた。同国ケソン市のパヤタスというゴミ山(ゴミ集積場)の近くに住む子どもたちを対象に、ショーを通して夢を支援しようという活動だという。

 同大学文学部総合文化学科3回生の竹内美空さん(20)はこう話す。「私は今、副代表でもあるんですが、3歳から高校3年生までずっと競泳をやっていて、競泳しか知らない人生を送っていました。大学入学を機に競泳の人生から離れて、大学でも没頭できるものが欲しかった。それで、このDEAR MEの活動を知って貧困層の子供たちにファッションという視点からアプローチしていくのと、物資などの提供だけでなく、内面からもサポートしていけたらと思ったんです」

 同じ学科の鈴木瑠華さん(20)は「私は去年から参加させていただいた。小さい頃から青年海外協力隊に興味がありましたし、私自身、哲学的ですが、生まれて来た意味を知りたいということもありました」と話す。そして「当初は子どもたちがファッションショーで本当に喜ぶのか、そういう思いもあったけど、子どもたちが喜んでいる姿を見てモヤモヤが吹き飛び、これからも何か力になれたらうれしいなと思いました」と続けた。

私たちは『衣』を重点的にサポートしていこうと

 今年は初めてショッピングモールという大きな舞台での開催となり、男子5人、女子26人のパヤタスの子どもたちがモデルになった。同大学14人のほか、関西学院大、神戸学院大、京都造形芸術大の学生やヘアメイク、歌手など参加人数は20人にのぼった。大舞台で子どもたちが委縮してしまうのではないかという不安もあったが、堂々とした輝く笑顔を見せ、ショーは成功したという。

 また、テレビなどで見たことのあるゴミ山を実際に見た竹内さんは、「強烈な臭いで、分別もされておらず、ゴミ山と同時に、この山の付近で暮らしている子どもたちに衝撃を受けました。夜のミーティングの時に自然と涙があふれました」と振り返る。

 鈴木さんも「私自身は子どもたちと触れ合い、現地のスタッフやメンバーの方々とつながっていくことで、自分が豊かになれ、それを実感しています。衣食住の中で『衣』は、世界の貧困層の中ではいちばん軽視されがちなもの。私たちは『衣』を重点的にサポートしていこうと。精神的なケアも含め、サポートできたらなと思っています」と意気込みを語った。

渡航費や滞在費は自費、夢を追いかける

 アパレル企業や服飾専門学校生などの協力で、ステージで着た衣装はショー終了後、子どもたちにプレゼントした。企業の協賛金のほか、渡航費や滞在費は自費となるが、彼女たちは活動を通じて子どもたちに夢を描くきっかけをつくり、自らも夢を追いかけている。

 「自分の中で何か素敵なことが見つけられたら、それが夢なんじゃないかなと思う」(鈴木さん)

 「夢を話すことで、叶えられることもある。小さな夢を実現していきたい」(竹内さん)

 将来的にはNPO法人化して活動の幅を広げ、色んな国を巻き込んで人々の笑顔を増やしていきたいそうだ。
(文責/フリーライター・北代靖典)

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