妖怪アマビエを凌ぐ「最強の護符」を発見!「疫病退散を叶える日本の護符ベスト10」を宗教学者の島田裕巳が発表!

TOCANA / 2020年8月25日 9時0分

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 新型コロナウイルス収束の気配がいまだ感じられない中で、その知名度を現在も着実にアップさせているキャラクターが、妖怪アマビエだ。元はといえばこのアマビエ、19世紀中盤に肥後国(熊本県)の海に現れ、疫病の流行を予言するとともに、防止策を授けたとされている。それは、「自分の姿を写して、人々にすぐに見せてくれ」、つまり自らの姿を描いて護符にしなさいというものだった。

 護符は疫病などから身を守るためのもの。19世紀中盤に登場したアマビエは、そのなかでかなり新しい部類に入る。なぜなら、人類の歴史は、疫病との闘いの歴史でもあったからだ。新著『疫病退散〜日本の護符ベスト10』を刊行したばかりの宗教学者の島田裕巳氏はこう語る。

「病気の原因を掴めなかった古代の日本人は、疫病を神の力によるものと捉えていました。その痕跡は神話の世界にも見てとれ、『日本書紀』で述べられる伊勢神宮に天照大神が祀られる経緯にも疫病が関係しています。疫病のような祟りをもたらすおそろしい神を丁重に祀れば、疫病を退散させてくれる力を発揮すると古代の人々は考えたのです。護符も疫病に抗う重要な手段として、古くから用いられてきました」(島田氏)

 日本各地には、1000年以上という極めて長い歴史を持ち、現在も厄除けに重宝されている護符がある。これから紹介する2つの護符はその代表格といえる。これらの護符が生まれた背景にある説話や伝承を知れば、思わず手に入れたくなるはずだ。

 ひとつは、疫病除けとして今日も広く用いられている「角大師」(つのだいし)の護符だ。その名の通り、この護符には、痩せこけて2本の角を生やしたおどろおどろしい鬼の姿が描かれている。ただし、この鬼は疫病神ではない。正体は平安時代の僧・良源。元三大師とも呼ばれる彼は、天台宗のトップとして比叡山の復興に尽力した人物でもある。顔立ちは美形だったとされているが、鬼のような姿で描かれたのには理由があるという。

「瞑想中に現れた疫神に流行中の疫病に罹るように告げられた良源は、それを受け入れました。しかし、あまりにも堪え難い苦痛を覚えたために、天台宗に伝わる瞑想法を実践し、疫神を追い出します。良源はこのときの自らの姿を弟子に描かせると、疫病よけとして配るように命じました。その際の姿こそ、今日も伝わる角大師の恐ろしい姿だったのです。自分の姿を描かせた伝承は他の護符にもあり、後年のアマビエに反映されている可能性もあります」(同)

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