なぜ、たった数千世帯の視聴率にTV局が振り回されるのか?

tocana / 2013年11月28日 13時0分

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 ここ数日、「視聴率」という言葉がメディアに多く登場している。

 その火付け役となったのは、『夫のカノジョ』(TBS)だ。同作が第1話、第2話と4%台という驚きの低視聴率を記録してしまい、それがYahoo!トップニュースになる。なんとか上向かせようと、出演者たちが必死にドラマのアピールをするものの実らず、第5話では3%という"今世紀民放連続ドラマ最低記録"を出してしまった。

 こういった報道を受け、主演である川口春奈は「視聴率、視聴率、、今はすべてが数字で判断される時代なのかな^^? 悲しいな...」とつぶやいた。

 確かに、視聴率は万能ではなく、本来は一つの指標である。

 というのも、視聴率は、標本数は関東、関西、名古屋の3地区で各600、その他8地区で各200しかなく、そこから統計学的に数値化している。つまり、TV保持者全員を把握している訳ではなく、必ずしも正確とはいえない。松本清張がそれをテーマに『渦』という小説を書き上げたように、算出される数字に懐疑的な人たちも多い。

 そんな視聴率を算出しているビデオリサーチ社が、新たにツイッターと連動し、番組ごとのキーワードがツイッターでどれだけつぶやかれたかを集計する。テレビの楽しみ方が多様化するなか、視聴率では計りきれない反響を把握する狙いだ。

 この手法は、『ワイドナショー』(フジテレビ)でも取り上げられ、「色々な方法があって良い」と松本人志は賛同する一方で、「視聴率を持ってない僕が言うと負け犬の遠吠えですけど。もっと、突っ込んだ評価の仕方があっても良い」とも付け加える。

 東野幸治も「視聴率はTVがついている時間を集計する訳ですけど、"何となくTVをつけている10%"と"真剣にTVを見ている10%"では、後者の方が、スポンサーの広告がしっかりと伝わる」と、視聴率だけでスポンサーへの貢献度を計るのは如何なものかと議論を投げかける。識者や多くのタレントが、「万能ではない」という視聴率が、なぜ、ここまで権威を持っているのか。

「それは、TVマーケティングの手法があります。広告を出して、それを100人が見たとする。そこから、購入するのは3人、つまり3%前後です。受け取る人数、視聴者が増えれば、比例して購入者は増える。TV番組にお金を出すスポンサーは、何人がこの広告を見たかが気になる訳です。そのモノサシが、現在は視聴率しかないため、視聴率が権威を持つ。そして、TV局も、視聴率を武器に、CMの金額を上げたい。というのも、CMは流していい秒数が決まっているため、枠を増やすことはできないのです」(広告業界関係者)

 なるほど、と頷ける反面、東野が指摘するように、"実際に商品がどれだけ売れたか?"を統計するべきではないかとも思う。

「それは難しいですね。TV広告を出せる企業は、お金のある企業ですから、TV広告以外にも同じ広告を出している。TVを見て購入したかどうかを判別するとなると、さらに費用がかかってしまう。そんなことをするくらいなら、視聴率という指標で充分な訳です」(同関係者)

 確かに、『ジャパネットたかた』のCMを見て、友人達と「これを見て購入する人いるのかな?」と話をしたことがあるが、未だにCMを出しているということは、効果があるということなのだろう。TV広告に効果があるということは、その指標となってきた視聴率にも効果があるということになる。タレントには厳しい現実かもしれないが、TV局、スポンサーにとって視聴率は、現段階では万能なのかもしれない。
(TV Journal編集部)

tocana

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