大人になっても絶対音感が手に入る薬が判明!?  脳は、薬で若返る!?

tocana / 2014年1月14日 11時40分

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 2014年がスタートし、今年から新しい習い事に挑戦しようかと考えている人もいることだろう。今回紹介する最新の研究結果は、特にこれから楽器に挑戦しようとする人にとっては、衝撃的な内容となっている。音楽的才能の開花とも密接に関係している「絶対音感」と呼ばれる能力は、大人になってからでも、薬の力を借りることによって、獲得できる可能性のあることが判明し、大きな話題を呼んでいるのだ。


■「絶対音感」ってなんだ?

 そもそも「絶対音感」とは、耳に入る音の高さを、他の音と比較することなく完全に把握し、音名に置き換えることができる希有な能力だ。このような能力は、曲の習熟や暗譜に有利に働くとされるが、それを身につけることができるのは、遅くとも5歳頃までのうちに集中的な音楽教育を受けた場合に限られ、その機を逃せば、誰にとっても一生涯縁のない能力であると考えられてきた。子どもが、このように音楽のみならず様々な技術や言語さえも大人より簡単に習得することができるのは、彼らの脳が、外界からの刺激によってその構造を変化させ、機能を向上させる「神経可塑性」に富むためだ。この脳の発達に関する「神経可塑性」は、大人へと成長する過程で次第に失われてしまう。


■習得に必要な「ある薬」

 しかしこの従来からの説を180度覆すこととなる研究結果を発表したのは、ハーバード大学において分子細胞生物学の教壇に立つ、タカオ・K・ヘンシュ氏だ。神経科学分野の学術誌「Frontiers in Systems Neuroscience」上で発表された論文によると、「バルプロ酸ナトリウム」という薬剤こそが、大人の脳の「神経可塑性」を再び高め、絶対音感すら身につけることを可能にするという。「バルプロ酸ナトリウム」は、「ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤」という種類の薬に分類され、偏頭痛・てんかん発作・気分障害などの治療薬として、現在は「デパコート」、「デパコン」、「スタブローズ」などの名前で流通している(なお、これらの薬剤は、新生児に知能指数の低下や、その他の発達障害をもたらす可能性があるため、妊娠中の女性による服用は推奨されていない)。


■被験者たちの驚異の変化

 マウスを使った過去の研究では、この「バルプロ酸」が、特定の遺伝子のオンとオフを切り替えるようなDNA上の変化(「エピジェネティクス変化」)を引き起こし、それが脳の神経障害を回復させることが既に確認されていた。今回ヘンシュ氏のチームは、この研究をさらに進歩させ、「バルプロ酸」が「神経可塑性」を高めることを立証することを試みたのだった。

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