「カミソリで切って、悪い血を流し出す」!! インドの路上で現在も行われる瀉血治療

tocana / 2014年2月16日 8時0分

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 人体から血液を抜くことにより症状の回復を試みる治療法、瀉血。体内の有害物を流し出すという考えのもと、洋の東西を問わず古代より行われてきたこの治療法は、現代医学においてはごく一部の症例の場合を除き、医学的に根拠のない手段とされている。

 しかし、私たちの想像を軽々と超えたニュースが次から次へと発信される神秘の国、インドでは、現在も一般的な治療法として瀉血が広く行われていると、英国「Barcroft Media」が報じている。しかもその治療風景は、大都会の路上でも目にすることができるというのだ。

【動画はこちらから→http://tocana.jp/2014/02/post_3665.html】

 首都ニューデリーの路肩で瀉血療法を行うクリニックを開設している施術者の一人、ハキム・ムハマド・ギアスさん(79)。彼は20ルピー(約33円)の治療費で日々多くの人に瀉血療法を施している。彼の瀉血療法とは次のようなものだ。まず、腕や脚などの患部付近を紐できつく縛り上げる。そして「悪い」血液を溜めた上で、カミソリの刃で患部に切れ込みを入れる。時に患者は痛みにたじろぎ、傷口からは血液が流れ出すが、ハーブから作った軟膏を塗り込んでおく。

 ハキム・ムハマド・ギアスさんによると、瀉血療法は4,000年以上の長い歴史を持つ伝統的治療法で、関節炎や心臓病、さらには初期の白血病などにも効果を発揮する「世界で最高の治療法」であるという。また彼は、このような治療について「カミソリの刃で行う穿刺のようなものだ。毒を抜き取るものなのだから、何かに感染してしまうようなことはない」と主張する。

 ちなみに「2006年から関節炎に悩まされており、もう60日近く継続して通っている」というある男性は、「良くなってきて、歩いたり走ったりすることもできるようになったのです」と瀉血療法の効果について語っている。その効果はともかく、衛生面ではかなりの問題がありそうな路上での瀉血治療ではあるが、実際に多くの人から頼りにされているというのが現状のようだ。

 しかし瀉血療法が雑踏で行われているこのような状況の背景には、別の深刻な背景があると指摘する声もある。国際NGOのオックスファムが2013年に発表したレポートによると、「インドの医療体制は、巨大な人口に対応するためにはあまりに脆弱であり、世界的にも進んだレベルの病院がいくつもあるにも関わらず、多くの人は受診することができないでいる」のだという。またWHOは2008年、「インドでは医療分野に関して、いまだ世界最低レベルの公共投資しか行われていない」と報告している。どうやら、インドの路上において瀉血療法に助けを求める人々が存在する背景には、多くの人が病院での診察にありつけない、という問題が潜んでいるようだ。
(モンペ・アザブジュバーン)

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