医学界を悩ます、密造うんこ!? 話題の「糞便移植」で問われる、うんこの利用法とは?

tocana / 2014年3月4日 17時0分

 素晴らしい「うんこの力」、飲み会の前に飲むドリンクの打ち間違いではありません。今、「糞便移植」つまり「うんこの移植」は、さまざまな病気に効果があるかもしれないと、海外で脚光を浴びているのです。もちろん、うんこは大量の細菌を保有するため、その取り扱いについては慎重になされるべきものです。しかし、厳しい規制のためか、"医師の診断を得ずに行われる、うんこの利用"が問題になっているようです。そのような状況のなか、先月科学雑誌ネイチャーにて「うんこ規制への提言」が掲載されました。2月28日に「New Scientist」が、その実情を報じています。

■糞便移植、実態と効果

・大腸の病気に効果的!?

 皆さんご存じの通り、人の大腸は、膨大な種類の細菌が絶妙なバランスでひしめいていることで健康を保っています。しかし感染症の治療等の際に抗生物質が投薬されてそのバランスが著しく崩れると、特定の細菌が体に悪影響をおよぼすようになります。「クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)」という病気がその例で、激しい下痢を引き起こし、その治療には腸内の細菌のバランスを整えることが必要となります。

 そこで、昨今話題になっているうんこを使った新しい医療、糞便移植の出番です。腸内環境が崩れてしまった患者へ、健康な人のうんこを注入することにより、腸内環境を改善するというもので、実際にCDIに対しての臨床試験で高い効果を発揮しました。また、臨床試験はされてはいませんが、いくつかの報告によると、うんこの移植は、クローン病や潰瘍性大腸炎等の炎症性腸疾患にも効果があることが示唆されており、他にも、自己免疫疾患やパーキンソン病へさえも効果があるのではないかと言われています。すごい可能性を秘めてますね、うんこ。

 しかしながら、うんこの移植はまだ研究が進んでいないこともあり、その規制についての対応は国によって差があります。イギリスではまだ規制がないため、医療機関がうんこを使えますが、アメリカでは食品医薬品局(FDA)が昨年、CDIへの治療以外には、うんこの移植を「新薬」と位置づけ、その臨床試験への適用に対し高いハードルを設定しました、カナダも似たような状況です。厳しい規制によって、うんこの移植という治療のハードルが上がってしまったため、アメリカやカナダでは医療機関でうんこを利用した臨床試験をすることがほとんどできていません。

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