1,800年前のエジプト人が書いた手紙がついに解読! 名も無き男は、その時何を考えていたのか?

tocana / 2014年3月11日 13時30分

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 私たちが学ぶ「歴史」とは、過去に起きた大きな出来事のあらましや権力者たちの行動を、極めて簡潔に整理したものに過ぎない。しかし有名無名を問わず、ある時代にはその時代を生きた人の数だけの人生と、誰にも語り継がれることのない喜怒哀楽があったはずだ。そんな「人間の営みとしての歴史」に思いを馳せずにはいられない話題をお届けしよう。

 科学サイト「LiveScience」が3月5日に報じたところによると、この度、1,800年前の名も無きエジプト人が書いた手紙の内容が解読され、その男性の想いや人柄が明らかになったという。

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■誰の手紙? どんな内容?

 この手紙の差出人の名は、アウレリウス・ポリオン。彼が生きていた当時のエジプトは、ローマ帝国の支配下にあった。志願兵としてローマ軍に入隊した若きポリオンは、東欧「パンノニア(現在のハンガリー周辺)」の地に赴任していた。今回解読されたのは、そんな彼が、遠く離れた祖国に住む家族に宛てて送った手紙だ。

「みなさんの事を心配しています。なぜなら、私からの手紙を何通も受け取っているはずなのに、一向に返事を書いてくれないからです。だから私は、あなたたちがどう......」(それ以降の部分は失われてしまっている)

「みなさんが日々健康に過ごしていることを祈っています。手紙を書くことを止めはしませんが、あなた達の心の中に私の姿はないのかもしれませんね......」

「何度も手紙を送りました。でも私のことをまるで他人のように扱うのですね」

「私は司令官に休暇の許可を得て、あなた(兄弟)に会いに行きます。そうすればきっと私のことを思い出してくれるでしょう......」

 このようにポリオンの書いた手紙からは、返事が欲しくてたまらない様子や、音沙汰なしの家族を心配して、多少苛立っているような印象(?)すら感じられる。また軍の上官に休暇を申請し、はるばるエジプトへと帰省の旅に出ようと計画する姿もうかがえる。他にも手紙からは、彼の母親がパンを売って生計を立てていることや、姉妹や兄弟もいたことが読み取れたという。


■発見者や分析の方法は?

 ポリオンの手紙は、今から1世紀ほど前にイギリス人の考古学探検隊(バーナード・グレンフェルとアーサー・ハント)によって発見された。探検隊は、ナイル川に程近いファイユーム地方南端のテプテュニス村にて、おびただしい数のパピルス(エジプトで使われていた紙)を見つけたが、ポリオンの手紙はその中に含まれていた。探検隊は当時それら全てを飜訳することができなかったが、今回、米国ライス大学のグラント・アダムソン氏が赤外線画像の技術を用いてテキストの解析に取り組み、その結果を学術誌「Bulletin of the American Society of Papyrologists」上で発表したことにより、ついに再び日の目を見たというわけだ。

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