栄養価抜群の「スーパー・ベジタブル」が、人類の宇宙移住を後押し!?

tocana / 2014年3月13日 10時30分

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 手間と時間のかかる交配や遺伝子組み換え技術に頼らずとも、「ある方法」によって、作物の持つ栄養価が劇的に高まることが判明したと話題を呼んでいる。今月10日付の英紙「The Daily Mail」などが、「あなたの健康を増進するスーパー・ベジタブル」と報じた。

 話題の「スーパー・ベジタブル」を生み出すその方法とは、作物を「強烈な光の点滅にさらす」という簡単なものだ。コロラド大学ボルダー校に在籍する研究者、エリザベス・ボンバルディ氏の発表によると、彼女の研究は、宇宙空間にいる人間の目をどのように保護するか、という問題意識のもとに始められたという。

 将来、地球外に人類が移住するときの大きな懸念材料は、宇宙線(宇宙空間を飛び交う放射線)や紫外線が与える目へのダメージだ。網膜の酸化を防ぎ、目を健康に保つためには「ゼアキサンチン」という物質が必要だが、これは葉野菜を通して摂取すると効果的であることが分かっている。「宇宙空間で育てられた野菜は安全」(http://tocana.jp/2014/02/post_3629.html)ではあるが、限られた量の野菜から、最大限の栄養を摂取することが求められているのだ。

 そのためボンバルディ氏をはじめとする研究チームは、葉野菜の持つ栄養価を最大化させようと試みた。その結果もっとも効果的だった方法が、「強烈な光の点滅にさらす」というものだったという。彼らは、シロイヌナズナ(野菜ではないが、野菜と似た性質を持つ)に、生育を妨げない程度に調節された強力な点滅光を一定時間当てる実験を毎日繰り返し、そのことを確認したのだった。

 光合成によってエネルギーを得る植物ではあるが、どうやら過剰に強い点滅光は彼らにとってストレスとなるようだ。植物は過剰に吸収してしまった光に対応するために、化合物「ゼアキサンチン」を生み出しているのだという。このような手法についてボンバルディ氏は、「植物の特性を知り、それらを遺伝子ではなく周囲の環境を変えることで操作しようと試みた」ものだと語っている。また今回の研究結果は、当然ながら地球上で育つ作物にも同様のことが言えるため、専門家たちは、将来の地球における食物生産や栄養摂取の方法にも大きな影響をもたらすだろうと考えているようだ。

 ちなみに宇宙空間で育つ作物は、「早く・大きく」育つという研究報告もあるが、ストレスを与える今回の手法は、それとのトレードオフとなってしまうと指摘する声もある。まだ課題もあるようだが、「スーパー・ベジタブル」が私達の宇宙進出や未来の食糧事情に大きく貢献してくれる可能性は高いだろう。

tocana

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