本物のベートーベンは、“髪の毛の価値“も高かった!!

TOCANA / 2014年3月17日 9時0分

写真

 死によって、ようやく苦悩の人生から解放されたはずのベートーベンが、死後もなお、その数奇な運命に翻弄さた事実をご存じだろうか? さらに、ベートーベンの特徴的な髪の毛が

 今月5日付けの『Listverse』に掲載された記事によると、1827年にその不可解な死で人生に幕を下ろしたベートーベンの遺体は、盗掘ハンターや難聴の原因を探る医師らの争奪戦によって世界各地に散逸。どこの誰がベートーベンの骨を持っているのかすら全くわからない状況になってしまったのだという。

 長く所在のわからなかった骨片が、次に発見されるのが1990年。カリフォルニア州ダンビルに在住するポール・カウフマンが、自宅の屋根裏で"ベートーベン"と書かれた箱を発見。カウフマンの曾祖伯父がかつてウィーン大学の医史学教授であったことや、1863年にベートーベンの墓を掘り起し、頭蓋骨を持ち出した可能性があったことから、米カリフォルニア州のサンノゼ州立大学の専門家らにその骨が本当にベートーベンのものであるか、調査を依頼した。そして、ベートーベンの髪の毛と照合して、DNA鑑定をした結果、その頭蓋骨がベートーベン本人のものであると判明したのだった。

 では、そのベートーベンの髪の毛が、一体どうやってこの調査団の手に渡ったのかというと...。そこには骨以上にドラマティックな話が隠されていたのだった。

■死してなお、数奇な"運命"を辿った髪の毛

 ベートーベンのたてがみのような髪の毛は、死後多くの輩によって持ち去られ、その後、アメリカ議会図書館や大英図書館、ベートーベン・ハウス博物館などの機関を含むさまざまな人の手に渡ったといわれている。さらに、遺髪などから合成ダイヤモンドを製造する業者によって、ベートーベンの髪の束で100万ドル(約1億1500万円)相当の人造ダイヤモンドを造れたり...と、ベートーベンの毛髪の価値はとどまることを知らなかった。

 なかでも特筆すべきは、ゲヴァラという人物による毛髪の入手経路とその行方だろう。

 19世紀ドイツのユダヤ人作曲家フェルディナンド・ヒラーは、敬愛していたベートーベンの死の直後、髪の毛の束をいくつか切り取り、ロケットに入れて持ち帰ったといわれている。1833年、フェルディナンドの息子がそれを受け継ぎ、1911年に、そのロケットを修理に出した後、長い間その毛髪の在りかはわからなくなっていた。が、1943年、デンマーク人医師ケイ・フレミングが、ナチス占領下のデンマークで、ユダヤ人の亡命を手伝った謝礼としてその毛髪を入手。その後、遺髪はロンドンに渡り、1994年、ベートーヴェン研究家アイラ・ブリリアント氏と会社経営者Dr.アルフレッド・ゲヴァラによって、サザビーズ(ロンドンにある美術品競売会社)のオークションで、$7,300(約74万円)で落札される。そして、落札した毛髪をサンノゼ州立大学ベートーベン研究所に寄贈した。巡り巡って遺骨と遺髪が一つの場所にそろい、このDNA鑑定が可能となったのである。

 人の値打ちは死んだときにわかるという。墓の盗掘は決して喜ばしいことではないが、ひとつの名声の証しともいえるだろう。遺骨、遺髪ともに然るべき場所に戻り、その真贋が証明された今、ベートーベンの魂はようやく安息の眠りについているのだろうか...
(文=雅代ノワール)

※参考「listverse」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング