映画『ゴッドファーザー』が原因で実際に起きた暗殺事件! 

tocana / 2014年3月21日 10時0分

写真

 マフィア映画の金字塔『ゴッドファーザー』3部作。イタリア系移民のマフィアファミリーの絆と抗争劇を描いていたこの名作の陰には、実在したあるマフィアのドンの介入があり、その後、彼の人生は映画さながらの結末を迎えていたと、「Listverse」が伝えている。

 1960年代初頭に実在したニューヨークマフィアのドン、ジョー・コロンボ。父親は、当時ニューヨーク・マフィアのトップであったアナスタシア・ファミリーのメンバーだったが、ファミリーの女を寝取ったことで、性器を切り取って口に入れられるなどされ、殺されている。

 そんな父を持つジョー・コロンボであったが、先任のドンたちとは異なり、彼はマスコミに対してオープンな性格で目立ちたがり屋だったという。コロンボはイタリア系アメリカ人公民権同盟を組織し、さらにこれを利用して映画『ゴッドファーザー』の製作に抗議するなど、影響力を行使しようとした。映画の大部分が撮影されたリトル・イタリー(ニューヨーク・マンハッタンにあるイタリア系住民が多く住む地区)の人々の反感を買うことを恐れ、『ゴッドファーザー』の脚本から"マフィア"という言葉を削除することに成功する。

 しかし、コロンボが残すことのできた功績はここまでだった。公の場で饒舌なコロンボによって、マフィアのビジネスに必要以上の注目が集まることを懸念していたほかのドンたちは、これ以上コロンボを放置しておくわけにはいかなくなる。


■目立ちすぎたツケが...

 1971年6月28日、コロンボは同公民権同盟のフェスティバルを開催する。イタリア系マフィアのボスの一人、カルロ・ガンビーノ(後に、カンビーノ一家を全米最強のマフィアにしたとされる人物)がフェスティバルの中止を求めたが、目立ちたがりのコロンボはまったく耳をかさなかった。

 このやり取りのさなか、新聞記者に扮した25歳のストリートハスラー、ジェローム・ジョンソンがコロンボに3発の銃弾を撃ち込む。その直後、ジョンソンは別の男に銃殺された。現場には1,000人以上の人がいたにも関わらず、ジョンソンを殺害した男が捕まることはなかった。コロンボは一命を取り留めたものの四肢麻痺の状態となり、その6年後の1977年に死亡する。

 これらの話になんとなく聞き覚えのある方もいるだろう。なぜなら、『ゴッドファーザー』PartⅢの登場人物、ジョーイ・ザザのモデルとなったのは、他ならぬこのコロンボだったからである。しかし、仮にコロンボが映画『ゴッドファーザー』への介入や公民権同盟などから手を引いていたとしても、もともと危険人物であった彼は、いずれは命を狙われていただろう。だが、この『ゴッドファーザー』の一件で無用な注目を集めてしまったことが、確実に彼への暗殺を早めたのである。

 本作にはコロンボ以外にも、実話を基にしたシーンが多く描かれている。例えば、PartⅠでマーロン・ブランド演じるヴィトーが露店で果物を買うときに襲われるシーンや、アル・パチーノ扮するマイケルがトイレで最初の殺しに手を染めるシーン、またPartⅡの議会公聴会の場面など。ほかにも実在の人物をモデルにした登場人物も多い。『ゴッドファーザー』の重厚でリアルな世界は、フィクションとノンフィクションが複雑に交錯し生まれていたことがうかがえる。ちなみに、PartⅠで"マフィア"という言葉を一切使わなかった『ゴッドファーザー』。この映画以降、マフィア映画というジャンルが確立し定着したというのだから、なんとも皮肉な話である。

tocana

トピックスRSS

ランキング