NYで「ブタ野郎」と呼ばれる警官たち! 強引な職務質問は善か、悪か? ~ストップ アンド フリスク問題~

tocana / 2014年3月23日 14時0分

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――米・法律事務所に勤務し、アメリカのポリスメンと深い関わりを持つ謎の日本人「A•C」が、ポリス事情をリアルタイムでお届けする!

 私は仕事柄、警察官と言葉を交わすことが多い。しかし、普通の人はなかなか警察官と話すことはないだろう。日本では、地元民から「おまわりさん」と親しみを込めて呼ばれる警察官だが、アメリカは違う。「ブタ野郎」などと呼ばれて、非常に嫌われている。善良な市民のために犯罪者を取り締まるべく日夜働いている両国の警察官だが、なぜこうも持たれる印象が違うのだろうか?


■『ストップ アンド フリスク』という名の風習

 私はニューヨーク市に住んでいる。ここでは黒人、中南米系の男性は常に警察官の職務質問の対象だ。真っ当な仕事についていようと、学業成績が良好であろうと、「若い黒人、またはヒスパニックの男性」ならば、道を歩いているだけで警察官の職務質問の対象となっていた。これは通称『ストップ アンド フリスク』と呼ばれており、警察官は特に明らかな証拠や理由がなくても「不審」と判断すればと市民に対し、職務質問や所持品検査を行なえたのだ。

 この職務質問の対象者たちには拒否権など存在していなかった。そのため、移民たちが多く居住する集合地域(ハーレムやブロンクス、ブルックリンの諸地域)を抱える、ニューヨーク市では、決して日本のような「おまわりさん、今日もご苦労様です」的な平和な場面は無いに等しい。

 しかし、最近このニューヨーク市警にも変化がおこりつつある。

 2004年~2013年まで、『ストップ アンド フリスク』が常習的に行われていたニューヨーク市。だがしかし、この所持品検査の対象になった人のおよそ80%が黒人、またはヒスパニックの男性であることが判明したことから、各非営利団体や住民が原告となり、集団で訴訟を起こしたのだ。

 その結果、連邦地方裁判所では、昨年「NY市警の『ストップ アンド フリスク』は違憲である」と判断された。控訴を行っていたブルームバーグ元市長にかわり、今年1月より就任したデブラジオ市長がこれを取り下げ、「改善を行う」と一応落ち着いた形となっている。だが、実際の警察官たちはこれをどう捉えているのだろうか?

「俺は『ストップ アンド フリスク』は、実際の犯罪率を下げたと思っている。仲間でも撤廃に反対する者は多い。それに、不審者はやはり不審なんだ。だからこそ所持品検査を行うんだよ。それ以外に理由なんてないさ」(地元警察官)

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