グズグズの原因は遺伝子にあった!? 人類の進化が生んだ「先延ばしグセ」

tocana / 2014年4月10日 12時30分

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 「やらなきゃいけないんだけど、まあいっか」とギリギリまで放置して、追い込まれてから、「ひぇーーー!! 早くやらないと!」。こんなことを日々繰り返している人も多いのではないだろうか。かく言う筆者もそんな先延ばし人間の一人であるが、なんとこのダメ人間の典型的姿は、遺伝的な特性だったのかもしれないという報告が出され、話題を呼んでいる。

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 今月4日、米国「科学的心理学会」の学術誌上で、この驚くべき研究結果を発表したのは、コロラド大学ボルダー校のダニエル・E・グスタフソン博士をリーダーとする研究グループだ。彼らは、人間にとって「先延ばし行為」とはどのような意味を持っているのか、なぜ起こるのか、そしてどのように最小化できるのかを探るために今回の実験に取り組んだという。


■研究の方法は?

 報告によると、研究グループは「誰しも多少の『先延ばし行為』をするものだが、人によって程度に差が見られる」ことに目をつけた。そして、全く同じ遺伝子を持つ「一卵性双生児」の組と、同じ遺伝子を半分共有する「二卵性双生児」の組を研究対象として選択。彼らそれぞれに対して、「今日できることを明日まで先延ばしにすることはあるか」「締め切り間際になるまで取りかからない傾向があるか」などの質問を重ねた。それによって、養育環境や教育など人間の個性を作り上げる環境的要因と比べて、遺伝的要因がどの程度影響しているのかを明らかにしようと試みたのだ。


■結論にびっくり!

 そして実験の結果、研究グループは、人間の「先延ばし行為」には、遺伝的要因が確かに影響しているとの結論に至ったという。また「先延ばし行為」が、かなり衝動的に行われるものであることも判明した。このような結果について、グスタフソン博士は次のように分析する。

「一日一日を生き抜くことに力を注いでいた私たちの祖先にとっては、素早い決断や実行は有利に働いていたでしょう」「しかし時が流れ、人間にとって長期の視点や計画がより重要になってきたのです。その時に『先延ばし行為』が生まれたと思われます」「人間は様々なことをやりくりしながら、将来を保証するために長期にわたる目標を設定し、日々前進しなければならなくなったのです」

 そして博士は、人間が長いスパンの視野を得たことと引き換えに、「先延ばし行為」に加えて「誘惑に負けやすい」性質も持ってしまったのだろうと指摘する。しかし、素早い決断や実行といった力は、先祖の時代から私たちに深く刻み込まれた性質であり、まだ誰しもに備わっているという。


 グスタフソン博士は「先延ばし行為」について、現代社会では精神的・身体的・経済的に不利に働くものとして、今回のような研究を継続することによって克服方法を見出したいと考えているようだ。結局のところ現代を生きる私たちは、一日一日を生き抜くことで精一杯だった、遠い祖先と同じようなストレスにさらされているのかもしれない。確実に言えることは、先延ばしグセを遺伝子のせいにしようとしても、状況は何も変わらないということなのだろう。

tocana

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