近未来ハイテク装備満載!? SF風の「人工サンゴ礁」計画が進行中!

tocana / 2014年5月2日 19時30分

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 エメラルドグリーンの海に浮かぶサンゴ礁は大自然の最も美しい景観のひとつだろう。地球上のサンゴ礁を集めた面積はフランスの国土の半分ほどといわれているが、豊かな生態系を備え海洋生物の4分の1の住処となっているという「海の熱帯雨林」だ。またサンゴは数々の医薬品の原料としても重宝されているうえに、海岸線を取り囲むサンゴ礁は津波や台風などによる高浪を和らげる緩衝物としても重要な役割を果たしている。

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■深刻な危機に直面しているサンゴ礁

 一方でこの貴重なサンゴ礁が世界的な規模で深刻な危機に直面していることが海洋科学者をはじめとする識者や研究団体から警告されはじめて久しく経つ。サンゴ礁そのものの乱獲や、サンゴ礁に致命的打撃を与えるダイナマイトを使った漁などが直接の原因とされているが、近年の海水温上昇による海洋酸性化も大きな原因と見られている。

 世界中で失われつつあるサンゴ礁だが、なんとか減少を食い止めて人間の手で増殖を目論む計画が進行中である。4月14日付の英紙「Daily Mail」では、独創的な大型建築プロジェクトを多く手がけているマーゴット・クラソエヴィック博士が、画期的な人工サンゴ礁計画を描いていることを報じている。


■ハイテク人工サンゴ礁で失地回復!

 まるでSF映画の近未来の建築物かと見紛う、複雑に入り組んだ幾何学曲線で形成された鉄筋と鉄球の巨大な構造物は、なんとソーラーパネルを備えていて海中で微弱な電流を発生させることができるという。この電流は海水から炭酸カルシウムを集める働きをし、炭酸カルシウムが付着することによって徐々に石灰岩質のコーティングが進んでいくこの鉄筋自体がサンゴ礁の基礎になるということだ。また、この人工サンゴ礁の一部のセクションはガラス素材でコーティングされていて、太陽光を周囲に反射することによって海洋植物の光合成を手助けする機能も備えているという至れり尽くせりの設計である。

 自然のサンゴは直径1センチほどのイソギンチャクに似た小さなポリープ状の生物の群生により形成されているが、この「人工サンゴ礁」は生きたサンゴの誕生を促進するという。またこの計画によって、サンゴ礁に分布する海洋生物の多様性の保護にも貢献できるということだ。

 これに似た計画として、車や船舶のスクラップをそのまま海に沈めてサンゴ礁の基礎にする試みが一部の海洋で既に行われているが、粗大ゴミを海に投棄する口実を作っているだけであるという批判があるのは確かだ。またこの記事のコメント欄には海洋資源の保護のためには「何もしないのが一番良い」という意見も見られ、二酸化炭素排出量問題などの環境汚染を解決することが先決であるという論調も多い。この人工サンゴ礁計画がうまくいくのかどうかを語るのはまだ少し先のことになりそうだが、大自然が作る絶景スポットがこの地球上からなくなってしまうことだけはなんとか食い止めたいものである。
(文=仲田しんじ)

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