山形県の集落で幼少期に性的いじめ 3人殺傷事件の裏にある、黒い記憶と刃物

tocana / 2014年5月12日 19時0分

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 事件記者が綴る事件の裏側――。

 山形県南西部に位置する飯豊町(いいでまち)。人口1万人に満たない町にある40戸あまりの小さな集落で事件は起きた。
 
 2006年5月7日未明、ゴールデンウイーク最終日の夜のしじまを怒号と悲鳴が破った。
 
 カメラ店を営む男性(60、以下当時)の家に男が押し入り、その妻(54)と長男(27)に刃物で襲いかかった。

「男性と長男はそれぞれ腹や胸などを十数回刺されて死亡。妻も脳挫傷などの重傷を負った」(当時の捜査関係者)

 その後の捜査で、犯人は被害者の隣家に住む24歳の会社員の男と判明。凶行に至った背景が明らかになると、田舎の狭いコミュニティーで起きた事件への注目が一気が高まった。

「取り調べで、男の狙いが、3歳年上の長男にあったことが明らかになりました。男は、この長男から小学4年ごろから卒業のまでの間に繰り返し性的いじめを受けていた。電話で呼び出されて下半身を露出させられたり、自慰行為を強要されるようなこともあったようです。男は、事件の裁判で『中学生のころにその意味を知って悔しさがこみ上げてきた』と証言し、いじめ体験に思い悩んで自傷行為に走ったとも話している。事件は、その復讐を果たすためだったというのです」(事件を取材した新聞記者)

 男は地元の工業高校を卒業した後に上京。東京のコンピューター関係の専門学校に進んだ。

「アニメ好きでおとなしい性格だった」(中学時代の同級生)という男。数年間の東京生活を経て地元に戻り、事件当時は、山形県内の電機会社で派遣職員として働いていた。対してターゲットとされた長男は山形市内の中古車部品リサイクル会社に勤め、実家で趣味の車いじりをする姿が度々目撃されていた。
「2人は対照的な人生を歩んでいた。被害に遭った長男は小さい時からガキ大将タイプで、加害者の男は内向的ないじめられっ子タイプ。幼少期のトラウマを克服できずに鬱々とした日々を過ごした男に対し、長男のほうは結婚相手も見つけて順風満帆。10月にはハワイで挙式を挙げる予定だった」(先の記者)

 現場周辺は農村地帯で、同じ姓の一族で占められていた。男の家は一族の総本家に当たり、被害者の家はその分家。でも、実際の2人は田舎の因習とは真逆の"主従関係"にあったわけだ。


■男が愛で続けた、特殊な凶器

 こうした複雑な人間模様とともに、男が携えた凶器にも世間の耳目が集まった。

「犯行に使われたのは、『ブラックニンジャソード』と呼ばれる武器だった。全長70センチ、刃の部分が45センチある特殊な刃物。その名の通り、全体が黒く塗装されている」(先の捜査関係者)

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