PC遠隔操作事件でわかった、日本社会の害悪 片山無実の陰謀論はなぜ支持されたのか?

tocana / 2014年5月21日 9時0分

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 IPアドレスを指紋のように扱ったことで、4人を誤認逮捕してしまった「パソコン(PC)遠隔操作事件」が遂に決着した。この事件の容疑者であり、昨年2月に逮捕され、今年の3月に保釈されるまで一貫して、容疑の否認を続けていた片山祐輔被告が、遂に罪を認めたのだ。

 片山被告は、勾留されてからも一貫して無罪を主張し、世論に訴えていた。また、警察側が4人も誤認逮捕していたという負い目もあってか、ネットでは片山被告の免罪を訴える声が上がっていた。それに呼応するように、ジャーナリストの江川紹子氏、IWJ Independent Web Journal代表の岩上安身氏らがこれを支持。また、片山被告の弁護士である佐藤博史氏の辣腕ぶりも重なり、同弁護士いわく、裁判は「有利に動いていた」という。

 しかし、事態は急展開する。今月16日、片山氏の公判中に、各報道機関に「真犯人」を名乗る人物からのメールが届いたためだ。一時は、「愉快犯のしわざか、また本物か」などと話題を集めたが、19日に、このメールが前日に片山被告が江戸川区内の河川敷に埋めたスマートフォンから送信されていたことが発覚。片山被告の自作自演である可能性が高くなり、その経緯を大手メディアが一斉に報じた。

 しかし、警察に有利に働くであろうこの"証拠"は、警察のでっちあげや自作自演の可能性を疑われるなど、陰謀論を強めた。作家の八木啓代氏らが、Web媒体『BLOGOS』内で、一連の騒動の違和感を綴っている。

 また、報道後に片山被告が姿をくらましたこともあり、ネットでは「アリバイ工作で時間差発信しても、発信位置とかがバレる。そんなもの埋めるか?」などと、訝しがる声が上がり、また"片山氏が自殺に見せかけて消されるのでは?"と彼の身を案じる声が上がっていた。

 そして、20日。片山被告からの反論が待たれたが、今までの強気姿勢が嘘のように、彼は全ての罪を認めた。決定打となってしまったスマートフォンだが、まさかアリバイ工作が露見されるとは思わなかったようだ。また、罪を認める中で、自殺を考えたが死にきれなかったことも明かしている。

 岩上氏のTwitterによれば、佐藤弁護士は「片山さんが捕まった時に私は犯人だと思って接見したのが事実。彼の方が上回っていた。怪しい素振りを見せなかった」とも明かしているという。
 なんとも後味の悪い幕切れとなった今回の事件について、ネットには「ぐぅ正論(ぐうの音も出ない程の正論)」とされたこんな意見があった。

「現実を直視せず、盲目的に『警察、国家権力は悪』と決めつけている立場の人たちが、どんなにバカかってことがあからさまになった。警察は確かにほめられた組織ではないが、だからといって『警察は人々を陥れるはずだ』という考え方しかできない人たちの、自己に対する無批判精神の方が、この社会にとってはるかに害悪である」

 今回の事件は、関わった全ての人たちが説明責任をはたすべきなのかもしれない。それにしても、逮捕後の片山被告の笑顔を見ると、事件は終わってないような気がしてしまう。それは、筆者自身が陰謀論を捨てきれていないからかもしれないが...。
(TV Journal編集部)

tocana

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