50年持つ電池が開発中!? 夢の次世代長寿バッテリー

tocana / 2014年5月22日 16時0分

 近い将来、電子機器のデバイスやペースメーカーはたった1回の充電で何十年も持つことが可能になるかもしれない。

 スマートフォン、自動車やPC等に至るまで、我々の生活に欠かせない電子機器類の課題は現在のリチウム電池の性能である。研究者たちはバッテリーの寿命を延ばすべく日々開発を行っているが、今回はその画期的な研究を英紙「Daily Mail」オンライン版(4月30日)が紹介している。


■"死んでいた"元素を活性化させる

 この研究を行っているのは米テネシー州にある、エネルギー省管轄下のオークリッジ国立研究所(ORNL)である。

 通常、我々がイメージするバッテリーとは、2枚の異なる金属板(亜鉛板/マイナスと銅板/プラス)を電解液と呼ばれる液の中に設置。電解液の中で電子の流れと反対に電流が流れて電気エネルギーが生まれ、回路をつなぐと電圧がデバイス装置に流れるシステムになっている。しかし、この旧来の電池はやがて放電し、化学反応を起こさなくなり寿命を迎えてしまう。

 今回の研究チームの革新的な開発では、放電の過程で「含フッ素リチウム塩」を発生させ、電解液に電気化学的な作用を引き起こし、さらに触媒作用を促進することに成功している。つまり従来の電池では"死んでいた"元素を活性化させることによって、電池内のエネルギーの総量を増やし、寿命を延ばすことが可能になったのである。

「この双機能電解質は、従来のバッテリーの概念を覆し、前例のない電流密度で次世代バッテリーデザインに新風を起こすでしょう」と、前述のORNLのチェンドゥ・リアン研究員はインタビューで語っている。

 この新しいコンセプトのフッ化炭素リチウムバッテリーは、高い電流密度を持ち、安定した長寿命を持ち、なおかつ、固体リチウム・チオリン酸電解質を用いることにより、バッテリー能力を26%引き上げることに成功した。


■電池の長寿命化が社会にもたらす様々な可能性

 今後の開発や使われ方次第ではバッテリーが数年、いや数十年にも耐えうるものになる可能性があると期待されている。

 長寿命の使い捨て電池はまた、人工心臓ペースメーカー、無線周波数識別装置、リモートキーレスシステム及びセンサーなど、従来のバッテリー交換や充電を必要とする電池に取って代わる可能性があり、注目を集めいている。

「もし貴方がペースメーカーを使っていたら、10年ごとに必要なバッテリー交換の手術を受けなくても済むようになります」とリアン研究員は言う。さらに、「バッテリーが30~50年持つとしたら...。我々の目指す研究は新しいメカニズムの可能性を広げるものなのです」とバッテリーの長寿命化が社会にもたらす様々な可能性を強く指摘している。引き続き今後の開発に期待したい。
(文=Maria Rosa.S)

tocana

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