性善説の崩壊 ― 生後15カ月の幼児も「倫理観<差別意識」だった【米・4つの心理実験】

tocana / 2014年5月23日 18時0分

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 心理学の学術誌「Frontiers in Psychology」が、乳幼児を対象に、「公平さに対してどのように反応するか?」研究を行った。


【実験1→結果:幼児は公平を好む】

 白人乳幼児40名に研究者2名がおもちゃを配った。1名はおもちゃを公平に、もう1名は不公平に分配した。その結果、70%の乳幼児はおもちゃを公平に分けた研究者をより好んだ。


【実験2→結果:幼児は不公平を好む】

 しかし、次のテストでは実験対象にアジア人と白人の乳幼児を混ぜ、その中の何人かの白人乳幼児に、より多くおもちゃを配るという実験をした。その結果、前の実験結果とは異なり、白人の乳幼児は「自分たち」をひいきする「不公平な」研究者をより好んだという。

 これは乳幼児が既に人種的違いを意識しており、自分と同じ人種を「1つのグループ」として考え、より好んでいると考えられる。

 この実験チームを率いるワシントン大学のジェシカ・サマービル教授は、「幼稚園に入るまでに子どもたちが人種を基にしたグループを作る事は良く知られているが、赤ちゃんの場合は今までそれがはっきり分からなかった」と記事内で語っている。

 このサマービル教授の研究の結果が示すのはまず、乳幼児は公平さを好む社会的な性質を非常に早い時期に表すことである。しかし同時に、乳幼児は自分と同じ人種にグループ意識を持ち、自分たちがより利益を得る場合には、公平さはそれほど重要視しないということがわかった。サマービル教授は、乳幼児は既に人種的グループ、そして社会的な観念(公平さ)の両方を考慮できることを示していると言う。

【実験3→結果:幼児は善を好む】

またイェール大学の「Infant Cognition Center(乳児知覚センター)」のウィン教授が行った別の実験では、乳幼児に「良いぬいぐるみ」対「悪いぬいぐるみ」の指人形劇を見せた。すると、80パーセント近くの乳幼児は「良いぬいぐるみ」を好んだ。これは、乳幼児は早い時期から物事の善悪が理解できることを示す。


【実験4→結果:幼児は善より仲間意識を好む】

 しかし、次の実験の結果は驚くものであった。まず乳幼児に2つのお菓子を見せてどちらかを選ばせる。次に、指人形にもお菓子を選ばせる。すると乳幼児は自分と同じお菓子を選んだ指人形に、より親近感を覚え、同グループという意識を持ったのだ。そして、自分と違うお菓子を選んだ「違うグループ」の指人形には親近感を示さない。さらに驚くのは、「自分のグループ」の指人形が「違うグループ」の指人形に悪い事をしても「自分のグループ」の指人形を好み続ける。

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