犯罪者の再出発は可能か? ー 世界初!! 前科者による前科者のための再雇用キャンペーン「FREEDOM CALENDAR」が美しく泣ける

tocana / 2014年6月2日 18時30分

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 ポルトガルでは、2001年より大麻の使用が非犯罪化され、1日2.5グラムまでの使用は許されている。もちろん、規定量を超えれば犯罪として逮捕されるがそのような国はEUでもポルトガルしかない。しかし、刑期を終えた元犯罪者を待っているのは、非常に厳しい雇用問題である。

 依然として労働市場では差別と偏見によって雇用の機会を失うケースが非常に多く、働きたくても働けずにまた犯罪に手を染めてしまうという悪循環が続いている。そこで世界初となる前科者による再雇用支援を目的としたNGO団体が作られたのだ。そして再雇用キャンペーンの一環として、一見するとアート作品なのではと思うカレンダーが作られたのだ。

【その他の画像と動画はこちらから→http://tocana.jp/2014/06/post_4179.htm】


■実際の元犯罪者を撮影して制作

 このカレンダーには、サンパウロの人材会社であるアートプラン社と、様々なプロジェクトを手がけるアフロレゲエ社の協力によって制作された。実際に12カ月12名の元犯罪者の方を撮影しデザインされた「フリーダムカレンダー」は、アート作品といってもおかしくないレベルだ。

 モノクロで美しく撮影された彼らのポートレイトに、よく獄中で刑期を数えるのに壁に鉄製のコップ等で線を刻むシーンを映画で見かけるが、カレンダー制作に当たってそれを「刑務所フォント」として使用している。静かなモノクロ写真の奥に、彼らの重い歴史を感じる。

 実際に参加した元犯罪者たちはインタビューに応え、「常にいい人でいようとしても、誰も信じれくれない。それが現実なの」「君は前科持ちだろ。そう見えるよ。いつも言われるんだ」と語っている。なかには堂々「犯罪歴のある者お断り」と新聞の求人欄に載せている会社もあるのだ。この現実を打破しようと、元ヤクの売人だった1人が立ち上がり、前科者と企業を結びつけるNGO団体を立ち上げたのだ。スタジオに用意された壁に実際に文字を刻み、それを撮影してフォトショップで月と日にち、そして本人の名前が分かるように合成された。「フリーダムカレンダー」の制作過程は以下の動画から見る事が出来る。


■カレンダーの効果

 現代アーティストJR氏のように、貧困問題などをアートによって解決しようとする試みは増えて来ている。この「フリーダムカレンダー」はスマートフォンでも見れるほか、実際に600セット作られ国内の企業に配布された。新聞に三行広告を出したり、メディアを駆使する等して、一連のキャンペーンによってバーガーキングをはじめ、3,099人の雇用が決まり、最も大きなポータルサイトで取り上げられたのをきっかけにテレビ取材などを受け、前科者の雇用率は前年度の230パーセントと大成功をおさめた。今後もこの流れには加速がつきそうだと見られている。そしてまた、50以上の国籍の会社にカレンダーを添付してメールを出した。メールの文末にはこう一文の質問が添えられていた。

 あなたの会社では、前科者を雇いますか?
(アナザー茂)

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