ユネルタン症候群 -- 四足歩行する人々。生物の“退行進化“とは?

tocana / 2014年6月12日 8時0分

写真

 私たち人類は、樹上性の猿が長い年月を経て進化した動物だ。

 かつて我々の両手は前足として機能しており、その用途は現在のようにバリエーションも豊富なものではなかった。地上に生活の場を移した私たちの始祖は、やがて二足歩行を覚え、いつしか前足は物を掴んだり、投げ飛ばすといった技術を可能とする器官へと進化。現在では、歩いたり、駆け回るために使われるのは下半身から伸びる一対の足だけとなっている。

 現代人に、昔のように両手を前足の代わりに使って四足歩行を行うことなど困難を極めることとなったが、それでも敢えて四足走行にこだわっている人々がいることをご存知だろうか。

【その他の画像と動画はこちらから→http://tocana.jp/2014/06/post_4257.html】

 6月6日20時からNHK総合で放送された『きわめびと』において、現在四足走行のギネス世界記録を保持しているアスリート、いとうけんいち氏の特集が組まれた。

 いとう氏は、100メートル四足走行競技の世界記録、16秒87を有する、四足走行界のウサイン・ボルト。彼は原始的な猿の走り方を研究し、その動きをトレースすることで、世界で最も速い四足走行アスリートとなったという。

 そもそも二足歩行に適した体に進化してしまった私たちにとっては、四足走行どころか歩行すら困難。しかし、いとう氏はまるで野生動物のように身軽に独特の姿勢で走り回ることが可能となったのだ。

 まさに彼こそ「きわめびと」の一つの最終形態と言ってもいいだろう。

 しかし世の中は広いもので、海外には競技のためでもなく、まるで先祖返りしたかのように、四足歩行で日常生活を送る人々が存在している。


■ユネルタン症候群 ― 四足歩行をする家族

 今から約10年前、トルコ・アダナにあるククロヴァ医科大学のユネル・タン博士は、長年非常に興味深い家族を研究してきた。その家族は、彼らだけに共有される独自の言語を持ち、常に四足歩行の体勢で生活しているという。ユネル博士はこの家族の遺伝子を採取し、その結果、通常の人間との差異を見つけ出したという。

 それは、「進化に逆行する指令を与える」遺伝子で、その結果、この四足歩行の家族たちは退行進化を促されてきたと結論付けているのだ。

 にわかには信じがたい説だが、博士の発表した論文には「この家族には類人猿的特長に類似したものを見出せた」とある。具体的には、「時間の概念がない」「男女問わず腕や足の筋肉が非常に強靭」「頭部姿勢の特長が類人猿のそれとほぼ合致する」などが挙げられている。ユネル博士はこの特異な遺伝子兆候を「ユネルタン症候群」と名付けている。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
tocana

トピックスRSS

ランキング