【W杯】関係者「気が気でない」 なぜ、日本人が“難易度S“の開幕戦審判団を任されたのか?

TOCANA / 2014年6月12日 17時0分

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 FIFAワールドカップ2014ブラジル大会が、日本時間の明日午前5時に開幕する。

 その開幕戦「ブラジル×クロアチア」の審判団を日本人が務めるということがFIFAから発表された。審判団を務めるのは、西村雄一主審と名木利幸副審、相樂亨副審で構成される「チーム・西村」だ。

 開幕戦の主審には、FIFAから「この大会の基準を示してくれ」という使命が与えられている。たとえば、警告を与えることで、「こういったファウルは警告です」と全チームに示さなければいけない。大会の成功を左右する重要な立場となるのが、開幕戦の審判団なのだ。

 そんな重要なポジションだけあって、開幕戦の審判団を日本人が務めるのは史上初である。それもあり、昨夜と今朝の情報番組は、このトピックス一色になった。チーム・西村の関係者にも取材が入っているようで、関係者から筆者に「そんなにすごいことなのか?」と電話がかかってきたくらいだ。

 では、なぜ、これほどのビッグマッチを日本人が任されたのか?

「Jリーグファンには酷評されている日本人審判ですが、実際のレベルは高く、国際審判員の多さがそれを物語っています。審判員に必要なのは、スタミナやクイックネスな動きですが、これは、日本人審判にとっては強みです。日本人選手の場合は『パワー不足、接触に弱い』とされていますが、審判員に接触はない。つまり、審判員は、日本人の特徴を出せるポジションなのです。それをFIFAも感じているからこそ、ブラジル大会の命運を日本人に託したのでしょう」(スポーツ関係者)


■明日の開幕戦の審判員は難易度Sの仕事

 前回の南アフリカ大会や日韓大会など、近年のワールドカップは、開催国が番狂わせを起こす側だった。しかし、今大会は違う。ブラジルは優勝を目指す国である。開幕戦というシチュエーションに加え、この試合はビッグマッチでもある。この開幕戦+開催国+ビッグマッチという難しい組み合わせは、南アフリカ大会や日韓大会にはなかった。2006年、ドイツが3位以内を義務付けられて迎えたドイツ大会以上のシチュエーションである。日本人が割り当てられたのは誇らしいことだが、近年でも稀にみる難しい試合といえるだろう。

 ちなみに、ドイツ大会では、チーム・西村と同じシチュエーションを、大会屈指のレフェリーだったアルゼンチンのオラシオ・エリソンド氏が任された。エリソンド氏は、開幕戦を妥当なレフェリングで終えたため、その後、決勝戦の割り当ても受けている。また、1990年イタリア大会の開幕戦を務めたブラジルのジョゼ・ロベルト・ライト氏も、その後、準決勝を割り当てられている。チーム・西村も、明日のパフォーマンス次第で、さらに日本の歴史を変えることになるかもしれない。もっとも、関係者曰く「本人たちは普通の試合と同じように一生懸命やる」と気負いは無いようだ。しかし彼らの関係者たちは「誰が見ても難しい判定だってあるから、何が起こるか分からない。気が気でない」と3人を心配する。審判員とは、そういう仕事なのだ。
(文=石井紘人@FBRJ_JP)

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