マルファン症候群 ― 天才音楽家の超絶技巧を生んだ病

tocana / 2014年7月8日 15時0分

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 顔のつくりや表情と同じく、手も指の長さや爪の形、手相など実に千差万別。「指の長い人は綺麗」と言われることも多いかと思う。だが、もし明らかに指が長すぎる場合は要注意かもしれない。長い指が特徴になっている世界共通の疾患のひとつを紹介する。

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■指か長くなる「マルファン症候群」

「蜘蛛指症」という言葉を聞いたことがあるだろうか?
 
 画像を見ると一目瞭然なのだが、正に名前の通りに蜘蛛のように細く長い指を持つ。英語での別名はスパイダー・フィンガー。人によっては、指を180度後ろに倒すことも可能なのだとか。

 もちろん場合によっては、ただ単に指が長くて関節が柔らかいだけの人もいるかもしれないが、疾患の場合も有り得る。病名は「マルファン症候群」という遺伝性循環器疾患だ。この病気の人は必ずしもではないが、非常に高身長であるケースが多い。

 だが、この疾患の怖い所は長い手指ではなく、様々な合併症(目、骨格、心臓血管、肺、皮膚、脊柱硬膜)が起こる可能性があるところ。

 平均して30歳前後で大動脈乖離を発症する率が高いようである(よって、診断された場合は激しい運動は避けるべき)。

 また、顎関節症脊椎変形やヘルニア、腰椎仙骨部の硬膜拡張を引き起こすケースや、感染性心内膜炎の危険が高いので体のどの部分であっても治療の際は十分に注意が必要である。

 重篤な症状であれば生まれてすぐに発見されることもあるが、実は大きな症状持ち合わせずに成長してから診断される可能性の方が高い。

 発生頻度は世界中で3,000~10,000人あたりに1人。日本では約20,000人と推定されている。およそ75%が親からの遺伝であるが、25%は突然変異で誰でも起こりうる。

 また、同じく指の長い症状の出る類似疾患(エーレルスーダンロー症候群やロイスディーツ症候群等)もあり、診断には幅広い知識と経験の医師の協力が欠かせないそうだ。


■ピアニストに多い!?

 現状ではまだ原因遺伝子が完全解明されておらず、成長してから病気を発症する人がほとんどのため、NPO法人の日本マルファン協会によると、ダウン症などの染色体異常を調べる出生前診断でも、完全にはわからないようである(遺伝子の突然変異が50%程度しか見つからず、不十分)。

 もし症状が疑われる場合は、早めに遺伝相談外来を受けることを勧めています、とのこと。早期診断が出来れば、より早い治療も可能だそう。

 なお、マルファン症候群とされている有名人には作曲家でありピアニストのセルゲイ・ラフマニノフやニコロ・パガニーニ、米個性派俳優であったヴィンセント・スキャベリなどがいる。

 ラフマニノフは2メートルに達する体と巨大な手の持ち主で、異常なほど柔軟な指の関節を持ち、彼にしかできない力強くまた重厚な演奏を行うなど、この指と体型を大いに活かしていたといえる。
(文=Maria Rosa.S)

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