【日本怪事件】帰宅した夫の眼前に広がる戦慄の光景... 謎に包まれた「名古屋妊婦切り裂き殺人事件」

tocana / 2014年7月29日 9時0分

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――日本で実際に起きたショッキングな事件、オカルト事件、B級事件、未解決事件など、前代未聞の【怪事件】を紹介する...!

【名古屋妊婦切り裂き殺人事件】


 事件が起きたのは、昭和63年。現場で生まれた赤ん坊は、現在26歳になっているはずだ。彼が生まれた時、母親はすぐそばで殺されていた。コタツのコードで首を絞められて......。


■事件のあらまし

 守屋美律子(当時27)は、臨月の主婦だった。出産予定日を過ぎたことを気にかける夫の昌孝(仮名)は、会社から時間を見つけては電話していた。

 3月18日の昼食後も、昌孝は自宅に電話をかけ、妻の様子に変わりがないことを確かめた。しかし退社前の午後6時50分頃に電話した際、いつもなら3回ほどのコールで受話器を取る妻が、10回鳴らしても出ない。「近くにでも出かけているのだろう」と考えた彼は、特に心配もせずに会社を出た。

 夫婦の住まいは、愛知県名古屋市中川区。名古屋駅から近鉄線に乗り、戸田駅から歩いて5分ほどのアパートの2階だった。

 午後7時40分頃、昌孝が帰宅すると、ドアは施錠されておらず部屋の明かりもついていなかった。不審に思いながらも、寝室でスーツを着替え始めたその時、彼の耳に赤ん坊の泣き声が飛び込んできた。生まれたのか......!!

 居間へと急ぎ電気を点けると、赤ん坊がか細い声で泣いている。その傍らで横たわる妻は、黒いパンティストッキングを着け、ピンクのマタニティドレスがたくし上げられていた。声をかけたが、反応はない。触れてみると、すでに体は冷たくなっていた。首にはコタツから伸びたコードが巻かれていて、両手は後ろ手に縛られている。血溜まりが、広がっていた。

 救急車を呼ぼうとしたが、ダイニングキッチンにあるはずの電話がない。外に飛び出て、階下の住人に事情を話して電話を借りた。

 昌孝は部屋に戻り、改めて妻を見た。みぞおちから下腹部にかけて、切り裂かれている。そこから、赤ん坊は取り出されたのだ。そして、空になった腹の中に、受話器とミッキーマウスのキーホルダーが入れられていた。


■難航する捜査、そして......

 赤ん坊はひざの裏・大腿の裏・股間に傷を負っていたが、その後、手術を受けて命を取り止めた。

 警察が最初に疑いの目を向けたのは、昌孝だった。ドアの鍵が掛かっておらず、明かりも消えていて、出迎えるはずの妻が見当たらないのに、ごく普通に寝室で着替えていたからだ。記者会見の時に『妻が好きだったから』と、グラスに赤ワインを注いで霊前に供えたのも、芝居がかっていると思われた。

 だが、疑いはすぐに晴れた。事件当日の3時頃まで、美律子は訪ねてきた友人と一緒におり、犯行はその後。昌孝が会社で仕事に勤しんでいる時間帯のことだった。

 捜査は難航を極めた。カッターのような薄い刃物で切られたことは分かったが、凶器も指紋も残されていない。"ためらい傷"をつけず、絞殺してから10数分で胎児を取り出すのは、きわめて難しい。そのため当初は、医師か医学生の犯行かとも思われたが、帝王切開の方法とは切り方が逆で、すぐさま否定された。

 動機も不明だ。専門家も、「妊婦の腹を割いて胎児を取り出してみたいという、異常な願望の持ち主」といった程度の推測しかできなかった。受話器やミッキーマウスのキーホルダーの意味も、分からなかった。

 不審者の目撃情報もあったが、捜査はそれ以上の展開を見せず、2003年3月18日に公訴時効が成立。事件は迷宮入りした。
(文=深笛義也)

tocana

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