自分で撃って顔を失った男 ― 驚異の顔面移植手術と「顔の有効期限」

tocana / 2014年8月6日 7時0分

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 最近の美容整形の発達は目を見張るものがある。顔を削って顎や鼻を細くすることは今や珍しいことではない。でき栄えも自然である。しかし、7月29日付の「Daily Mail」で紹介されているリチャード・ノリスさんのケースは、美容整形など足元にも及ばないくらい深刻かつ大がかりな「顔面移植」であった。

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■顔面喪失

 ノリスさんが22歳の時であった。彼は酔って帰宅し、母親と口論になり、ショットガンを自分に向けて撃ってしまう。骨や歯などを含む肉片が部屋一面にへばりつき、母親の顔にも降りかかったという。

 この事故により、彼は顔の半分(歯、鼻、そして舌の一部)を失い、味は感じるが匂いは感じなくなってしまった。帽子とマスクで顔を隠し、夜間にしか外出しない生活が続いた。絶望感から、自殺という選択肢が常に頭をよぎるようにもなった。

 ノリスさんは、顔を直すために10回以上の手術を受けたが、やがて「眉や唇は再生するには複雑すぎる」として、現在の医療技術の限界に達してしまったことを医者に通告され、奈落の底に突き落とされる。


■顔面移植の申し出

 絶望的な事実を突きつけられた数週間後、ノリスさんに顔面移植手術の権威であるメリーランド大学メディカルセンターのエドワルド・ロドリゲス医師が「顔面移植という選択肢が残されている」ことを告げた。

 ちなみに、世界初の部分顔面移植は2005年。フランスで犬に顔をかまれた女性に行われた。それに続いて27件の移植が行われたが、4件では患者が死亡、残りの生存者は彼らの健康に害があるかもしれない免疫抑制薬を生涯飲み続けている。たとえ手術が成功したとしても、大変な生活が続くことには変わりない。それに、一旦医者が顔面移植手術を始めると、後戻りはできない。もし移植された顔面がノリスさんに合致しなかった場合、顔は無くなり、彼は死ぬかもしれないのだ。しかし、ノリスさんはこの手術に勇気を持って挑む決意をした。

 ノリスさんの移植チームの一員には精神科医も含まれている。それには、医師が話すように、「生きるために手術が必要な臓器移植の患者と違って、顔面移植手術の患者の症状は直接、生死には関連しない。しかし、彼らは死ぬ危険性のある手術を受けるのです」という、複雑な精神状態があるからだという。

tocana

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