夢の“透明人間マント“完成間近!?「見えない布地」の量産が可能に

tocana / 2014年8月6日 15時0分

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 日本語で「透明人間」といえば体が透明な人間を思い浮かべるが、英語では「インビジブル・マン」、つまり"見えない人間"のことだ。見えない人間になるにはもちろん、体を透明にしてもいいのだが、たとえSFの世界であったとしてもそれは技術的にも生物学的にもなかなか大変そうである。やはり手っ取り早い(!?)のは、『ハリー・ポッター』や『ドラえもん』に出てくる"透明マント"を身にまとって人の目を欺くことだろう。そして今、この"透明マント"の完成が現実味を帯びてきているのだ。

 7月28日、科学誌「Nature」に掲載されたケンブリッジ大学の研究チームの論文が"透明マント"の実現に向けての大きな一歩であるとして注目を集めている。

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■「メタマテリアル」とは何か?

 10億分の1メートル、100万分の1ミリメートルという"ナノ"単位で物質を扱うナノテクノロジーの進化に後押しされ、2000年代半ば頃から幾人かの研究者によって「メタマテリアル(meta-material)」が開発された。この「メタマテリアル」こそが"透明マント"の素材なのだという。

 ではこの「メタマテリアル」とは何か? メタマテリアルの定義は「自然界には存在しない人工的な物質」ということである。自然界の物質の比透磁率(物質と光の磁場との関わり合いを表す定数)の値は押し並べて1.0ということであるが、実は我々人類は現在、ナノテクノロジーによって比透磁率1.0という自然界の拘束から解放されたメタマテリアルを作り出すことに成功しているのである。

 ここで少し話が変わるが、我々人間がある特定の物を見るためには2つの条件が必要であるという。

 1つは、物がその後ろ側から来る光を遮っていることである。従って後ろからの光をまったく遮らない透明な物は我々の目には見えないわけだ。

 そしてもう1つは、物が受けた光を反射・散乱し、その光を私たちの目がとらえていることだ。たとえサランラップのように透明な物であっても我々に見えるのは、表面が光を反射しているからである。

 逆にもしこの2つの条件を消すように光をコントロールできれば、物がそこに存在しないかのように見せることができるということである。つまり、人間の目に(実際には透明でなくとも)透明のように見せ、光を反射していないように(光の反射を抑えたり屈折率を上げて)見せることができれば、視覚では物の存在を感知することができなくなる。それを可能にするのがナノテクノロジーによって生まれた人工物質、メタマテリアルなのである。

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