エボラ出血熱の惨状...! 人として扱われぬ感染者たち=リベリア

TOCANA / 2014年8月22日 7時30分


■たった1人の旅行者から感染拡大

 そしてナイジェリアにあるアフリカ最大の都市ラゴス。上記で述べた3カ国と隣接していないこの国でも、ついに犠牲者が出てしまった。

 初めて感染による死亡者が出たのは7月25日のこと、リベリアの政府機関で働いていたアメリカ人のパトリック・ソーヤー氏である。氏は旅行でリベリアからナイジェリアへ入国した後、感染の症状で倒れた。氏の手当てをした現地の医療従事者が続けて4人が感染し、そのうちの1人の看護婦も亡くなっている。

 現在、現地当局は急ピッチで感染者を隔離する為の場所を確保しようとしているという。ナイジェリアの保健相は会見で「我々は国家の危機に面している、そして世界も危険にさらされている」と述べ、「誰ひとりとして安全な者などいない。我が国は、世界中に強く警告する。今回我が国へ感染をもたらしたのは飛行機で降り立った、たった1人の旅行者だったのだ」と危険を呼びかけた。

 ラゴスの多くの住民の家は非常に狭く、水洗トイレのない不衛生な状態で暮らしており、現在市内では道端などの公共の場所で排尿しないようポスターを張り出して注意を喚起している。感染を防ぐ為に念入りに手を洗う市民もいるが、そういった衛生概念を持つ人はまだごく少数だ。


■対策に追われる各国首脳たち

 ブリティッシュ・エアウェイズやエミレーツといった主要な航空会社は既に感染者の出ている国々への就航を休止している。現時点でブリティッシュ・エアウェイズはシエラレオネ、リベリア内の全ての都市へのフライトを休止(ギニアへは元々運行していない)、ラゴスには通常通り運行を続けている。

 エボラは地球上で最も致死率の高いウイルスのひとつであり、目や口、耳から出血し死に至る。西アフリカは過去何回か、エボラ出血熱の危機にさらされて来たが、280名の死亡者を出した1976年を遥かに上回り、8月16日時点でWHOが発表した感染者は2,240名、死亡者は1,229名(注: 今後は更なる増加の見込み)。

 増加する患者数に対して医療従事者、医薬品、手袋やマスクなどの医療品の不足も問題だ。感染の終息には少なくとも半年以上を要するとも言われており、WHOは先日、今回の非常事態に未承認の治療薬の使用を容認する立場を示した。

 米オバマ大統領はリベリアのサーリーフ大統領、シエラレオネのコロマ大統領と相次いで電話会談して感染対策を協議。感染封じ込めに向け、支援に全力を尽くす考えを強調している。ユニセフもエボラ対策支援活動を拡大、国連も今月14日に支援要請を発表した。

 もしかしたら核兵器や戦争よりも早く、世界中を危機に陥らせるのは目に見えないウイルスなのかもしれない...。今直面している人類共通の脅威として、一刻も早い事態の終息を願う。
(文=Maria Rosa.S)

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