最古のアメリカ人の顔 ― 9千年前にアジアから移住か?

tocana / 2014年9月5日 22時0分

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「最初のアメリカ人」とはいったい誰だったのか――。アメリカ先住民(アメリカ・インディアン)と多くの人が考えるであろう。だが、実はもっと以前にアメリカ大陸に住みついた古人類がいたという説が浮上している。しかも彼らのルーツは古代アジア人だったというのだ。

 このたび、出版された『ケネウィック人:古代アメリカ人の人骨を科学的に調査する』という本では、彼らの外観、生活および祖先に関する徹底的な分析結果が掲載されている。

【画像は、コチラ→http://tocana.jp/2014/09/post_4784.html】


■9千年前のアメリカ住民「ケネウィック人」とは?

「ケネウィック人」は、18年前にワシントン州のコロンビア河岸を歩いていたふたりの男性が、その骨格の一部につまずいたため発見された。当初、この骨を殺人事件の被害者のものだと考えられていたのだが、調査の結果、9千年前の人骨だ、と判明したという。

 9千年以上前の人間「ケネウィック人」。彼らの研究を進めることで、アメリカ先住民たちのルーツを探ることができると注目されていたが、そこに至るまでには困難がつきまとった。


■古代人の骨は誰の物? ― 法的論争

 アメリカ先住民の祖先だと考えられる「ケネウィック人」を巡り、ある論争が勃発した。先住民のとある部族リーダーが、その人骨は我らの祖先であり、アメリカ先住民の伝統的な方法で埋葬をするべきだと主張したのだ。

 人骨のルーツを探っていた研究者たちと、先住民たちの論争は、裁判にまで発展。そして、2004年、米国巡回区控訴裁判所は、現代のアメリカ先住民族とのつながりを証明するには人骨が古すぎる、として「先住民墓地の保護法」(Native American Graves Protection Act)は用いられないとの決定を下した。

 その結果、1998年以来その人骨を所持していたワシントン大学バーク自然史博物館のダグラス・オウスリー博士は、研究を進めることが許可されたのである。このオウスリー博士は、「9.11」の時の死亡した被害者の身元を判明するべく遺骨を調べたことでも有名な法人類学者だ。


■ケネウィック人の姿と生活

 ダグラス・オウスリー博士は、カリ・ブリュエルハイド氏を伴い、「ケネウィック人」の人骨の研究を続けた。

 彼らの調査によれば、発見された「ケネウィック人」の身長は170センチ、体重74キロという筋肉質な身体を持ち、手、腕、肩の骨などから、彼が右利きであったことが判明した。また、火打石を使うことに長けていたこと、さらに投槍器を使って槍を投げていたことなどの傾向が見られたという。彼は、2つの大きな怪我(6本の肋骨骨折と槍での戦いによる傷)を負っていたが、これらは直接的な死因ではなかったとみられ、死因は不明だ。

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