人間社会に致命的ダメージ!? 「オゾン層破壊物質、謎の放出」報道の裏に潜む危険性

tocana / 2014年9月9日 9時30分

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 8月21日付の共同通信によると、NASAの研究チームが大気組成を調査したところ、先進国で使用が禁止されている「四塩化炭素」が増えているのだという。四塩化炭素はフロンガスの原料であるとともに、それ自体もオゾン層を破壊するとして、使用が大きく制限されている。


■フロンガスとは?

 クーラーにも冷蔵庫にもヘアスプレーにも、昔は冷やすものには何でもフロンガスが使われていた。冷蔵庫などではガスを圧縮して膨張させてまた圧縮させてを繰り返して熱を奪うのだが、フロンガスは燃えないので、扱いが楽なのだ。

 この便利なフロンガスが、どうやら良くないらしいとわかったのが、1983年のことだ。

 南極に日本が持っている昭和基地の気象庁スタッフが、南極の上空で異変が起きていると報告した。オゾン層が何かによって破壊されているのだという。


■オゾン層とは? 破壊されると何が起きる?

 オゾンは太陽から降り注ぐ有害な紫外線を吸収するものだ。もしオゾン層がなければ、太陽から直接の強烈な紫外線が地表に届くことになる。そんな強烈な紫外線が人間に当たると何が起きるか? 白内障と皮膚がんが急増するというのだ。


■オゾン層減少は人類の存亡に関わる

 オゾン層が1%減少すると悪性黒色腫の発生率が2%、その他の皮膚がんの発生率が0.8%上昇する。白内障は年間10~15万人も増える(1989年時点で全世界に1,700万人の患者がいて、その2割が紫外線の影響とされている)。

 オゾン層を視覚化できる人工衛星で観測したところ、南極上空のオゾン層に穴が空いていた。こうしたオゾンホールが人間が住むエリアの上空にもできるようになれば、そこにも直接的な紫外線が降り注ぐことになる。それは人間社会に致命的なダメージを与えるだろう。

 オゾン層の破壊は、けしてSFの物語ではなく、終末論的な人類の存亡に関わってくるリアルな現実だった。


■オゾンホールとフロンガス

 オゾンホールの原因は何か? それがフロン類のガスだった。

 冷蔵庫を廃棄処分するなどして冷却パイプが破れれば、中のフロンガスが漏れ、やがてオゾン層まで到達する。フロンガス(他にハロン、四塩化炭素、臭化メチルなど計7種類とその類似物質)は紫外線によって分解され、塩素原子を放出する。オゾンは酸素原子が3つつながった不安定な分子で、そこに塩素原子が近づくと酸素分子と酸素原子とに分離する。この反応が連鎖的に起きてオゾンが消滅していくのだ。

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