「(猪木のマフラー)なんだあれは? 寒いのか?」 北朝鮮人民の前で「猪木プロレス」がスベりまくってた?

tocana / 2014年9月23日 9時0分

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 去る8月30~31日にかけて、北朝鮮でアントニオ猪木氏が実行委員長となり『インターナショナル・プロレスリング・フェスティバル in 平壌』が開催された。興業は、連日1万5,000人もの観客で満員となり、大成功に終わったと報じられている。

 しかし一方で、「言うほど盛り上がらなかった」(随行した日本人記者)という声も聞こえてきた。

 では、実際に北朝鮮側観客席ではどのような反応が起きていたのか? 北朝鮮側観客席で観戦していた在日朝鮮人の観光客はこのように語る。

「北朝鮮の人はほとんどがプロレスを見たことがないため、イベントに対する反応が日本人とはまったく違っていました。互いの『感性のズレ』がハッキリと見て取れて、私としてはそちらを観察しているほうが楽しかった気もします」

 なんたって観客は、ショービジネスの概念がない社会主義国の人々。まず猪木氏お得意の「元気ですかー!」の場面から、ギクシャクしていたらしい。

「いつも通り、テンションMAXで絶叫する猪木さん。ですが、その通訳アナウンスが『皆さん、ようこそおいで下さいました』といった、若い女性の声のごく普通のもので、観客はどう反応してよいかわからず戸惑っていました」

 猪木氏のトレードマークであるマフラーについても「何だ、あれは? 寒いのか?」、「なぜ、赤いんだ」と不思議がられる始末であった。

 当初は、派手な組技や衣装に興味津々だった人民たちだったが、やはり次第に首を傾げ始めたという。

「今のパンチ、当たってなくないか?」
「ダメージを受けているように見えない」
「なぜ登場しながら笑っているんだ?」
「今のはよけられただろう」
「なぜ、負けたのにお辞儀するんだ」

 このほか、イントロが流れてサビの部分で選手が登場、観客席にアピールの後、リング上で再度アピールという流れに、「普通に出てくればいいのに」、「いいから早く」とそっけないリアクション。場外乱闘や反則技などの演出に対しても、「何をやっているんだ」、「正々堂々とやれ」と不満をもらすこともあった。プロレスにそれを言ったら終わりなのだが...。

 また、最も盛り上がったとされるボブ・サップ大暴れのシーンも、「後ろのほうでは『え?何?』というくらいの反応」だったらしい。

 前出の在日朝鮮人男性は語る。

「猪木氏も選手たちも、最高のパフォーマンスを見せるため準備してきましたし、朝鮮側もそれに応えるため全力で環境を整えていました。ですが、初めてのことですから受け止め方に"ズレ"があったとしても仕方ないですよ。互いの相違点を知ったというだけでも大きな前進だと思います」

 ちなみに、これらはあくまで男性の座席の周辺に限った光景であることを付け加えておきたい。
 
 確かに国交もなく社会制度も違う両国のセンスが一夜にして通じ合うことはありえない。そんななか、このようなイベントが開かれたことに意義があると言えるだろう。
(取材・文/安宿緑)

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