医学研究目的の“見え過ぎる“ポルノ動画が話題! MRI映像が魅せる「人体の神秘」

TOCANA / 2014年9月30日 7時0分

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 人間の持つ「もっと見たい」欲望は底知れない――。この欲望は望遠鏡や顕微鏡、カメラやビデオカメラなどの光学機器開発の原動力であろうし、一方でこの欲望のニーズを満たすために絵画や写真、映画などのビジュアルアーツが社会文化の中で豊かに育まれてきた。視覚的な好奇心を煽り立てる分かりやすい分野にポルノなどの"アダルト"な映像ジャンルがあるが、この度少しばかり"見え過ぎる"アダルトな画像がネット上で紹介されて話題を呼んでいる。

【動画は、コチラ→http://tocana.jp/2014/09/post_4910.html】


■「人体の神秘」を感じさせる驚愕の映像集

 その"見え過ぎる"アダルト映像は、残念ながら(!?)ポルノやAV撮影が目的で撮影されたものではない。しかも驚くことにMRI(Magnetic Resonanse Imaging、磁気共鳴画像)で生成された人体の透視映像なのだ。

 あくまでも医学的研究を目的に撮影された、これらMRI映像の数々を編集した動画が先頃、アメリカのニュースサイト「Vox」に掲載されて注目を集めているのだ。一般人にも分かりやすく編集された動画には、人間の心臓の動きを克明に追った映像や、食物を飲み下す際の食道の様子、排便時の下腹部の模様や、男女のキスや性行為(正常位)中の局部の様子、子宮内の胎児(双子もアリ!)や出産の瞬間など、驚きの透視映像の数々が収められている。まさに「人体の神秘」を感じさせる驚愕の映像集だ。


■性行為に関する根拠のない通説を正す

 これらの映像の数々は、実は1960年代にオランダのペク・ヴァン・アンデル医師がフローニンゲンの病院で、当時最新鋭のMRI機器を用いて撮影したものである。医学史上前例のないこれらの映像は、長らく世の中に公表されることがなかったが、撮影したアンデル医師に賛同した産婦人科医のウィルブロード・ウェイマー・シュルツ教授、人類学者のアイダ・サベリス氏、放射線技師のエデュワード・モーヤート氏による研究チームが後に結成され、これらの映像をもとに解剖学的見地からの研究が行われたのだった。

 そして1999年に、その研究はイギリスの医学誌「BMJ(ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル)」に掲載され、斬新でありながらもあまりにも奇妙な研究として、注目と好奇の目を集めることになった。

 医学界の本流からはあまり評価を受けなかったものの、研究は性行為に関する根拠のない通説を正した意義もあった。1933年のロバート・ディッキンソン氏による「性交時のペニスは女性器の中でS字形に湾曲している」という説や、1964年のウィリアム・マスター氏らによる「性交時は子宮が膨張している」という説は、この研究によってどちらも誤りであることが判明した。この映像を見れば一目瞭然で、2つの仮説はまさに一刀両断にされてしまったのだ。そしてこの研究は、予想以上に医学界外の話題を集め、翌年の2000年に「イグ・ノーベル医学賞」の栄誉(!?)に輝いたのである。

 今回「Vox」の特集で再び脚光を集めることになったこれらのMRI映像だが、被爆が避けられないX線レントゲン撮影に対し、人体に全く無害のMRI検査が見直されるきっかけにもなっているということだ。今後MRI機器の性能が向上すれば、人体に無害であるMRIは医療分野以外の活用もじゅうぶんあり得るだろう。やや気が早過ぎるが(!?)その時、いったいどんな映像が撮影されるのか今から楽しみである。
(文=仲田しんじ)

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