8月の日向灘地震は「南海トラフ地震」の前兆か!? ~学者の見解と独自リサーチで紐解く~

tocana / 2014年10月6日 9時0分

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 今年8月29日4時14分頃、日向灘(宮崎県東部沖合の海域)でM6.1、最大震度4の地震が発生した。ほぼ時を前後して、日向灘周辺ではM3~M5規模の地震も起きている。過去、この海域では周期的にM7クラスの大地震が発生しているのだが、一方で政府の「地震調査研究推進本部」が公開する資料『日向灘および南西諸島海溝周辺の地震活動の長期評価について』を見ると、今後も「M7.6前後の大地震が発生する可能性がある」と言及こそなされているものの、その発生確率は10%と低く見積もられているようだ。

 しかし、日向灘の地震が宮崎県東部沖合への影響のみに留まらず、「南海トラフ(四国沖から駿河湾の海底に存在する溝)で起きる巨大地震の引き金になる」との説も唱えられている。その理由の一つには、日向灘が南海トラフの西端に位置していることが挙げられるのだが......。今回は、日向灘の地震と巨大地震の関係について考えてみたい。

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■2人の学者は指摘する

 さて、測量学の世界的権威で、「電子基準点」のデータをもとにした地震予測を行う村井俊治・東大名誉教授は、今年に入って日本で起きた震度5以上の地震すべて(5回)を事前に予測し、的中させている人物である。

 その村井氏が『夕刊フジ』(2014年1月11日、産経新聞社)紙上で「東日本大震災の2日前には三陸沖を震源とする震度5弱の地震があった。今後、日向灘周辺で震度4、5が起きたら、引き金となって南海地震を引き起こす可能性がある」と語っている。8月29日の日向灘の地震が、村井氏が指摘する地震に該当するものであるとすれば、これは「南海トラフ地震」の前兆であるとも言えそうだ。

 また、村井氏同様にこれまで数多くの巨大地震を予測・的中させてきた木村政昭・琉球大学名誉教授は、日向灘での大きな地震を以前から警戒していた。木村氏のHPで公開されている予測マップを見ると、日向灘のあたりに「2014±5年(M8.7)」と書かれているのだ。8月29日のM6.2の地震が木村氏の予測に合致するものだったのか、本人の見解は未だ発表されていないので、今後周辺でのさらなる大地震に繋がる可能性があるということなのかもしれない。


■筆者独自のリサーチでも......

 そして、過去に日向灘で起きた大地震について筆者が独自に調べてみたところ、1941年11月19日に発生したM7.2の地震が、今年の8月29日に起きたM6.2の地震と、規模・震源ともに類似していることを発見した。この1941年の地震の3年後、1944年12月7日に、昭和東南海地震(M8.2、最大震度6)が起き、さらに2年後の1946年12月21日には昭和南海地震(M8.0)が発生している。これを見る限り、8月29日の地震が南海トラフ地震の前触れである可能性は捨て切れないのではないか。


 ところで、筆者のもとにある質問が寄せられた。8月29日のM6.1のような地震が何度も起きれば、「地殻の歪み」が次第に解消され、一度で壊滅的な被害をもたらす巨大地震の発生リスクが減少するのではないかというものだ。だが、これは間違っている。たとえばM8とM6では規模が1,000倍も違うため、M6クラスの地震が1,000回起きてやっとM8クラスの地震から解放される計算となる。小中規模の地震が何度か発生したところで、木村氏が予測しているようなM8規模の地震が起きなくなるということは、あり得ないのだ。

 そのため、8月29日のM6.1がすぐに南海トラフ地震に結びつかなかったとしても、「いつ起きてもおかしくない」ものとして、西日本に住む人々は引き続き警戒するに越したことはないだろう。
(文=百瀬直也)

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