NASA「宇宙人を探すための基礎研究」支えているのは、高校生だった!

tocana / 2014年10月20日 17時30分

写真

 先月27日に発生した御嶽山の噴火は戦後最悪の被害を出し、非常に痛ましい事態となっている。火山の国日本で暮らしていると、どうしても噴火という災害を回避することはできない。日本は太平洋を取り囲む環太平洋造山帯の一部であり、火山活動が活発であることは周知の事実だ。

 そんな日本の太平洋を挟んだ向こう側、アメリカのカリフォルニア州にあるラッセン火山国立公園も日本と同じ造山帯上に位置しており、火山活動が非常に活発だ。そしてその環境の特性から現在、アメリカ航空宇宙局(NASA)による、宇宙人を探すための基礎研究が行われているという。さらに、そんな最先端の研究を高校生が支えていると聞くと意外ではないだろうか。

【その他の画像はこちらから→http://tocana.jp/2014/10/post_5037.html】


■"極限環境"でデータ収集

 カリフォルニア州にあるレッドブラフ高校三年生のメイソン・トゥルージロさんは、13人のクラスメイトらと共に雪靴を履いて、ラッセン火山国立公園の中を探索している。原始地球や火星について知るための貴重な手がかりとなる可能性がある、硫黄臭の水などの試料を収集し、それらからデータを取るためだ。

 ラッセン火山国立公園は、泥の間欠泉や噴気孔から100℃以上にも至る噴出がありながらも、永久雪原も持つ多様で過酷な環境である。古代から活動を続けるこの火山は、その環境が火星のそれに似ているとされ、NASAはここを「仮想火星」として注目し、調査をしている。高温の噴出が発生する場所は、ほとんどの生物には生き延びることの出来ない環境であるが、35億年前から地球に住んでいる微生物のような「極限環境微生物」は、それに適応しており、人が住めないところでも生命が存在する証左となっている。

 極限環境に関するデータを集めることは、研究者が他の惑星で生命の存在を調査する際に活用する資料の充実につながる。特に火星は、現在も探査機キュリオシティが土壌を採取するなど探査が活発で、ここでの研究結果を大いに活かせるだろう。生徒らが学校の研究室で試料を解析して得た、水熱に関する特徴のデータが、未来の火星探査の指針を示すことになるというわけだ。


■高校生がNASAの研究に参加

 NASAの地球化学者であり、1990年代から火星のミッションに従事しているダヴィ・ド・マレ氏は、6年前に、地元の高校生をNASAの研究に参加させるインターンシップ、「レッドブラフプロジェクト」を始めた。彼は、「生徒たちの働きは洗練されていて素晴らしい」と話し、大学の第3、4学年に匹敵するレベルだと褒め称える。また、生徒達に"生々しい科学"を体験させることで、彼の後継者となるような科学者の育成を狙っているようだ。

 この授業は専門的な内容で、簡単に良い成績を取ることができる授業ではなく、それどころか、課外活動の単位がもらえるわけでもない。しかし、NASAの研究者と共にフィールドワークを行えることは、貴重な経験だろう。「たとえ微生物でも、火星で見つかったら、超クレイジーだよね!」と高校生らしく話すトゥルージロさんも、将来はNASAで活躍する研究者となるかもしれない。

 地球上でも地球外生命体を探すための実地研究ができるというのはなんとも便利で、知的好奇心が旺盛な若者にとっては格好の活躍の場となる。昨年、アメリカの高校生が、画期的なガンの検査法を開発し話題となったが、同じように高校生の働きが、火星や他の惑星での新たな発見へとつながる可能性も十分にありそうだ。
(文=杉田彬)

tocana

トピックスRSS

ランキング