10年後、自分の夢を録画することができるようになる? 脳波を使った映像観賞システムの未来

tocana / 2014年11月14日 20時0分

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 現代アートの中で昨今注目されているのか「ビデオ・インスタレーション」というジャンルだ。それは映像を用いて観客を含む空間を変容させ周囲に影響を及ぼす空間芸術で、コンピュータ・グラフィックや映像機器の進歩でここ最近は急速に表現手法が多様化し、さまざまな芸術的実験が行なわれている活発なジャンルだ。そして先頃、この芸術ジャンルから観客が物語に参加できる映像鑑賞システムが登場したというから驚きだ。

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■観客が映画の主人公に!

 英マンチェスター在住の映像ディレクター、リチャード・ラムチャーン氏はある日、脳波ヘッドセットを用いて脳活動の変化に従って動画を編集するガジェットを思いついた。この機器によって観客は映画など映像作品の物語世界に"参加"することができるようになるという。

 そんなことが可能なのか...? と、素朴な疑問を抱いてしまうが、今ある技術を運用することで十分可能だという。具体的には脳波を測定する簡易型ヘッドセットと、鑑賞者の目のまばたきを監視するモニターシステム、重層的な物語構造になった映像プログラムなどで構成されたシステムである。

 このヘッドセットを着けた観客は脳波データとまばたきの情報を提供することによって目の前で繰り広げられている"映画"に現在の心境を伝え、映像やストーリー展開に影響を及ぼすことができるという。つまり映像世界に"参加"することが可能となるのだ。

 どのような映像体験になるのかはもちろんプログラム次第であろうが、例えばアドベンチャー映画のような映像作品であれば特定の場面で主人公の行動を観客が選べるようになったり、ラブロマンスであれば観客が好みの異性を選んで恋愛劇を楽しんだりすることなどがすぐに考えられるだろう。

 このガジェット開発はプロジェクト名「#Scanners」としてキックスターターで資金が募られて早々と目標資金が集まりすぐに開発が行なわれた。マンチェスター大学などでのテストを経て既に開発は完了し、現在は最終的なチェックが行なわれているようである。ちなみにこのシステムに用いるヘッドセットの部分は「マインドウェーブ・モバイル」という商品名でニューロスカイ社から既に発売されているものだ。


■将来は夢の詳細な録画が可能に

 このガジェットは単なる映像エンタテインメント機器であるに留まらないようだ。

「このプロジェクトのゴールは、自身の夢を実際に見たり聴いたりすることができるようになることなんだ」と、ラムチャーン氏は語る。

 一度目覚めてしまった後、夢を思い出すことはなかなか難しいが、将来的にはこのヘッドセットを着けて脳波を記録し、その情報によって夢を見ていた時の体験を前頭葉で意識化できるようになるということだ。ラムチャーン氏は、科学の進歩が近い将来、夢の詳細な録画を可能にすると確信している。

「ある研究によれば、1つの夢を全編録画する技術がこの10年から15年で登場すると言われているんだ」とラムチャーン氏は期待を込めて語っている。

 録画した夢をもう一度鑑賞できる日がもうすぐやってくることに興奮を禁じえないが、その一方で録画した夢が他人に見られてしまうリスクも......。夢の記録媒体の隠し場所には細心の注意が必要かもしれない!?
(文=仲田しんじ)

※画像は、YouTubeより

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