【イイ話】目3つ、口2つ ...! 「2つの顔を持った猫」を愛した飼い主

tocana / 2014年12月16日 10時0分

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 米・マサチューセッツ州のとある町で、1匹の猫が15年の幸せな生涯に幕を閉じた――。なんと、2つの顔を持った猫として天寿を全うしたのである。


■2つの顔を持つ「ヤヌス・キャット」

"フランケンルーイー"は2つの顔を持つ雄猫だ。彼には口が2つ、鼻が2つ、そして目が3つある。

 このような猫はローマ神話で前後に2つの顔を持つ双面神「ヤヌス(Janus)」から名前を取り、「ヤヌス・キャット(Janus cats)」と呼ばれるそうだ。ちなみに、この先天性疾患は猫に限らず、どのほ乳類にも起こりうる。

 2つの顔を持つ動物の多くは口蓋裂があり、ミルクを飲むことが困難である。また親は、このような先天性の疾患を持った子供を養育しない、もしくは殺してしまう事も珍しくないという。そのため、自然界では2つの顔を持って生まれた子供は生後間もなく死んでしまうケースが多い。

 しかし、このフランケンルーイーは心優しい飼い主に出会い、15年間生きた。フランケンルーイーは「世界で最も長く生きたヤヌス猫」としてギネスブックにも掲載されたのだ。


■安楽死寸前に引き取ることを決意

 米国マサチューセッツ州に住む飼い主のマーティ・スティーブンソンさんは、「フランケンルーイー」という変わった名前の由来を、本当は「フランケン」と「ルーイー」でそれぞれの顔に付けた名前だと話す。

 スティーブンソンさんは、かつて動物病院で看護師をしていた。するとある時、顔が2つある生まれたての子猫を安楽死させようと病院に連れてきた者がいた。スティーブンソンさんはこの子猫を可哀想に思い、安楽死させずに引き取って家で育てる事にした。病院の同僚からは「この子猫は多分生きられない」と言われたそうだ。

 初めのうちスティーブンソンさんは、この子猫が自力で食物を摂るのは無理と考え、チューブを使って栄養を与えていた。しかし生後3カ月頃になってフランケン側の口は餌が食べられる事が分かったのだ。無事に乳児期を終えた後は病気らしい病気も無く、フランケンルーイーはスティーブンソンさんの愛情のもとですくすくと育った。フランケンルーイーは、まるで犬のようにスティーブンソンさんと散歩する事が大好きだったという。

 そう、フランケンルーイーは幸運な猫だったのだ。普通なら親猫の育児放棄に遭うか、兄弟姉妹との生存競争に負けて餓死していたかもしれないからだ。ミズーリ大獣医学部教授でネコ科遺伝学専門のレスリー・ライアン教授は「このような先天性疾患を持った猫を世話するのは、障がいを持つ子供を世話するのと同じです。このような猫を殺さずに、家に連れ帰ったスティーブンソンさんを賞賛したい」と語る。

「Telegram」紙のインタビューでスティーブンソンさんは、「2つの顔を持つ猫にまた出会ったなら――是非飼いたいですね」とフランケンルーイーの死を悲しみながらも語っている。最近は動物虐待のニュースを多く聞くが、こういう話を聞くとまだまだ人間も捨てたものではないと思えてくる。
(文=美加リッター)

※画像は、YouTubeより

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