小保方晴子氏は被害者か? 科学ライター「無視できぬプライミング効果と4つの推論」

tocana / 2014年12月23日 8時0分

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 とうとう結論が出てしまった。小保方晴子氏自身による検証実験が失敗、STAP細胞は事実上存在しないと理化学研究所が発表したのだ。

 小保方さんが小保方さんでなければ、今回のような騒動は起きなかっただろう。小保方晴子氏が男好きのする、ちょっととぼけたカマトトっぽい女の子だったことが、すべての間違いだったのだ。

 世紀の大発見をした、割烹着の天才美少女。しかしその実験は誰も再現できなかった。名誉欲に駆られた詐欺か? 国家的研究機関のメンツが丸つぶれの実験ミスか? 再生医療市場をめぐる謀略か? 学会の俊英との不倫疑惑とその自殺、共同研究者の不審な動き、冷蔵庫に隠されていた出自不明のES細胞、そして泣きながら叫んだ「STAP細胞はあります!」

 面白すぎる。2時間ドラマの世界だ。雑な女とインテリの色ボケと自己顕示欲が引き起こしたねつ造事件で済ませるには、あまりに惜しい。


■自家蛍光を誤認していた? 推論1

 STAP細胞は、細胞を希塩酸などの弱酸性溶液に漬けるだけで、分化していた細胞がリセットされ、分化前の万能細胞に変わるとしたもの。細胞には万能性を獲得すると蛍光する遺伝子を組み込んでおき、万能細胞に変わったかどうかは、細胞の蛍光で確認する。

 これは科学の常識からすると、滅茶苦茶な話だ。極端な話、胃の立場はどうなる? である。酸で万能細胞が生まれるなら、胃酸で胃袋が万能細胞になるのか? 胃から人間ができちゃったりする? 映画の富江? それぐらいありえない話であり、だからネイチャーも「生物学の常識を覆す」とコメントしたわけだ。

 理化学研究所が行った検証実験でも、細胞の蛍光はわずかながら確認された。ただし本当に万能細胞であれば、それを受精卵に組み込み、その細胞を取り込んだ形で胎児が成長しなければならない。それはまったく確認できず(1600回以上、マウスを使ったという)、万能性は認められなかった。

 そうであるなら、この騒ぎは何だったのか? 小保方さんたちが名誉欲あるいは予算獲得のためにSTAP細胞をでっち上げたのか、それとも研究者としてあるまじきミスをしていたのか?

 細胞には自家蛍光という現象がある。構造的に細胞が光を放出することがあり(細胞が死ぬ時に特に強く蛍光するという)、不慣れな研究者は蛍光遺伝子の光と間違えることがよくあるのだそうだ。

 小保方さんは記者会見で細胞の作製に200回以上成功したと言い切っていた。彼女が天才的なウソつきでなければ(本物のウソつきを普通の人は見抜くことはできないので、これはなんとも言えない)、9割9分、自家蛍光を見間違えたのだと思われる。彼女は研究者として未熟であり、かつSTAP細胞の存在をまったく疑っていなかった。そのために自家蛍光を蛍光遺伝子の蛍光と無意識に誤認するバイアスがかかっていた......、だとしたら、周囲はその誤認の可能性に気がつくべきだっただろう。

tocana

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