ヴァンパイア病 ― 吸血鬼伝説の元になった、恐ろしすぎる奇病

tocana / 2015年1月2日 7時0分

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 世の中には普段あまり知られていない様々な疾患が存在する。そして中には凄まじい外見の変貌をもたらすものも......。今回紹介するショッキングな病気は、非常に稀な遺伝性の血液疾患「ポリフィリア症」、別名「ヴァンパイア病」である。

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■日光を避けニンニクが苦手で顔面蒼白... 吸血鬼の病

「ヴァンパイア病」は血液のヘモグロビンを合成するヘムという物質の機能が正常に働かなくなり、日光にあたると赤血球が壊れ皮膚を萎縮させ、血尿を排泄し、犬歯の変形や歯の変色(赤色)及び顔面蒼白などの症状を伴う恐い遺伝病である。顔の一部に発毛の増大が起こったり、酷い場合には鼻や指が抜け落ちてしまうこともある。

 皮膚が光に対して過敏なため、必然的に日光を避けて夜に行動するようになり、健康な人にとっては興奮作用のあるニンニクはポリフィリア症の人にとっては逆に痛みをもたらす症状が出てしまうため厳禁だそうだ。

 日光を避け、ニンニクが苦手で顔面蒼白に......。そう、別名の通りまさにヴァンパイアを彷彿とさせるこの病気は、近親婚が多かった中世には現代よりも患者数が多かったようである。

 伝統的な治療法として体内の血液を入れ替える瀉血療法があるが、昔は病気に罹った人が治療のために(もしくは本能的に)人間や動物の血を欲して襲うこともあったのだという。

 場合によっては、ポルフィリン症の患者がいた家庭では、差し迫った血液の供給のために噛まれた(血を供給した)こともあったのではないかと推測されている。

 そんな病状の凄まじさから話に尾ひれが付き、噛まれた人が感染して発症し次々とヴァンパイアになっていったという話がいつしか作りあげられて......。医学的知識に乏しかった中世では、この疾患が吸血鬼伝説の元になった可能性が高い、と最近では解釈されている。


■現代でも根絶されていない奇病

 16世紀のスコットランド女王メアリーから18世紀のイギリス国王ジョージ3世などイギリス王室の一族がよくかかっていた病気であることから「王の病」とも呼ばれ、実は歴史的にも注目されてきた疾患である。病気の認知度がまだまだ低く、偏見も少なくないが現代でもこの病が存在し、闘病している人がいることを心に留めておきたい。

 ちなみにポルフィリン症には遺伝性のものだけでなくいくつか種類があるが、中には長期飲酒歴がある中年男性に多く見られる晩発性のケースもあるということだ。早期に適切な治療を施せば数週間内で治癒するようだが、ドキリとした方はどうぞご自愛を。
(文=Maria Rosa.S)

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