世界でたった1頭、アルビノのゴリラ ― その誕生に隠された意外な秘密とは!?=スペイン

TOCANA / 2015年8月29日 8時0分

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"アルビノ"――先天性白皮症(先天性色素欠乏症)と呼ばれる、生まれつきメラニン色素が欠乏する遺伝子疾患である。その一様に白い神々しいまでの美しさは、時に「特別な力が宿る」と信じ込まれ、アフリカでは臓器や体の一部が売却目的に狙われてしまうことがあるほどだ。

 過去に世界でたった1頭だけ、アルビノの雄ゴリラが生存していた。その真っ白な外見にちなみ、「スノーフレーク」と名付けられたゴリラは、1966年にアフリカ・ギニアで捕獲され、その後バルセロナ動物園で2003年に皮膚がんで亡くなるまでの約40年間を過ごした。アルビノは、その美しい外見とともに紫外線による害と皮膚がん発病のリスクも併せ持っている。個人差はあるが、例えばヒトのアルビノの場合、短時間日光にあたるだけでも火傷のように重症化してしまうのだ。

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■スノーフレークは近親交配によって産まれていた

 さて、日本でも2007年のセンター試験で英語の長文読解問題として登場しているスノーフレークだが、絵葉書や観光ガイド、雑誌の表紙や有名ミュージシャンのアルバムジャケットを飾り、またバルセロナ市の非公式マスコットとして世界中で人気を博していたという。だが、そもそもスノーフレークだけがなぜアルビノになったのか?

 この謎を解くため、現地ポンペウ・ファブラ大学のトマス・マルケス・ボネット教授率いる研究グループは、生前に採取して凍結保存されていたスノーフレークの血液の研究に着手。ゲノム配列を解析した結果、スノーフレークの色素欠乏症が両親から受け継いだ「SLC45A2」という劣性遺伝子の突然変異に起因することを突き止め、2013年に科学誌「BMCゲノミクス」に発表した。さらに父親と母親がDNAの12%を共有しており、互いがこの「SLC45A2」を持っていたことも判明。これは、両親が叔父と姪という近い血縁関係にある事実を示しているという。つまり、スノーフレークは近親交配によって誕生したという結果となったのである。

 そして昨今、この近親交配については、今までの常識を覆す驚くべき一面が指摘されるようになってきたようだ。


■近親交配にはメリットも!?

 一般的に危険とされる近親交配であるが、教授によれば絶滅の危機に瀕しているいくつかの種族においては有効なのだという。最新の研究で、マウンテンゴリラに関しては近親交配が有害な遺伝子変異を取り除き、生存に役立っているという論文も発表され注目を集めているようだ。

 科学誌「サイエンス」に発表された論文によると、絶滅の危機に瀕しているマウンテンゴリラは、より頭数の多いゴリラ種と比べて、遺伝子の多様性レベルが2~3分の1低い。ところが、有害となる可能性がある遺伝子変異は、頭数の多いゴリラ種よりも少ないという。

 教授は「絶滅危惧種のゲノム配列解析が進むことにより、過去に理解できなかった問題を解く鍵となり、将来的に種の保護へと繋がることになるでしょう」とコメントしている。


 ちなみに、生物の中には逆アルビノとも言うべき "メラニズム" が存在している。体が漆黒な彼らは、アルビノよりもさらに希少価値が高いと言われ、既にマニアの中では人気となっているそうだ。だがその原因や生態についてはまだ不明な点も多く、今後の研究が待たれている。
(文=Maria Rosa.S)


※画像は「Wikipedia」より引用

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