外交官が語った!! 「イスラム国」が“日本攻撃“を呼びかける理由

TOCANA / 2015年10月15日 14時0分

 念のため、3カ国以外に駐留する大使館職員にも確認したが、本省から特別の指示はないということだった。このあたりの動きについて、知り合いの外交官に確かめてみた。すると、さすがに彼もきまりの悪そうな様子だったが、次にように答えてくれた。


■外交官が語った警戒態勢の限界

「たしかに『ダービク』の記事の内容は、全世界の在外公館で共有されています。しかし、この記事が出たことで何か具体的な攻撃が発生するかどうかは未知数です。日本の在外公館は、普段からセキュリティに気を配っているので、担当部局の領事局も、通常の警戒レベルを高める必要があるのかどうか決めあぐねているのでしょう」

 では、日本の在外公館の通常の警備態勢とはどんなものなのか?

「詳細については、手の内をさらけ出すことになるので公表できませんが、各在外公館では来客が自由に出入りできる場所とそれ以外の場所とを区別し、さらに非常事態に備えて、内部に防弾扉を装備した避難場所を設けています。館員の通勤経路も、毎日変更するよう指導されています。また、たいてい警察や自衛隊出身の警備担当者が赴任しており、公館によっては、地元の治安機関や警備会社に頼んで特別の警備体制を敷いています。他方、任国に在留する日本人に対する連絡の要否は、それぞれの在外公館が判断しています」

 そして、外交官は次のように続けた。

「しかしこうした方策も、対戦車ロケット砲などの重火器まで備えた準軍事的組織の襲撃には対応できません。アメリカなどは海兵隊が自国の在外公館の警備を担っていますが、日本の場合そんなこともできません。要は、任国が内戦状態に陥り、警察や軍隊による治安維持が機能しなくなれば、日本の力だけで外交団や在留邦人を守ることはできないのです」

 確かに思い返してみれば、2011年4月に象牙海岸が内戦状態になった際、大使公邸に閉じ込められた岡村大使を救出したのはフランスの特殊部隊だった。同じく2011年、リビアに残っていた在留邦人の最後の一団は、スペインの軍用機で脱出した。古くは1985年、イランの在留邦人がトルコ航空機で逃れた例や、1994年のイエメン内戦時は在留邦人の救出をヨルダンに依頼した例もある。


■なぜ、日本は名指しされたのか?

 さて、ここからが話の本題である。今回名指しされたうち、サウジアラビアやカタールといった湾岸諸国は、シリアでアサド政権と「イスラム国」双方に敵対する反政府武装組織「自由シリア軍」を支援している。またクルド人は、いまやシリアとイラクで「イスラム国」と互角に渡り合える唯一の存在となっている。しかし、それらと並び日本とパナマが標的とされた理由は一体何だろう。

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