アカヒアリ ― 洪水の際、2分間で“イカダ“を形成する殺人蟻の謎!

TOCANA / 2015年10月15日 20時0分

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 別名「殺人蟻」と呼ばれるほど攻撃的で有毒なアカヒアリが、洪水の際には、自分たちの小さな身体を寄せ集め、イカダを形成し、水が引くまで水上に漂うことで生きながらえるという習性を持っていることが、イギリスの「Daily Mail」紙によってレポートされている。


■自己犠牲と共生の奇妙なコラボレーションによる、驚くべき生存術!

 アメリカ合衆国南部、中央アメリカ、南アメリカ北部、カリブ海諸島などをもともとの生息地としているアカヒアリは、その凶暴性や毒の強さなどで知られ、時には死亡事故のニュースになるほどの危険な昆虫の一種として現地では恐れられている。

 このアカヒアリは、日本でよく見かけるアリよりも大型で、動きも素早い上に攻撃的で、すぐに仲間を呼び、集団でどんどん噛み付いてくる習性がある。しかも、その毒はフグ毒系の毒素を持ち、アナフィラキシーショックを引き起こす恐れがあるので、むやみにアカヒアリの行列を遮るようなことは避けたい。

 しかしこのアカヒアリには、もうひとつの変わった習性があることは、あまり知られていないようだ。今回、南カリフォルニアのドーチェスターで確認されたアカヒアリは、洪水によって巣を失った際に、数千匹にもなるアカヒアリの集団がお互いに身体を絡めあってイカダを形成し、水の上に浮かぶことで水害から生きながらえるという離れ業をやってのけているのである。

 防水性に富むアリのキチン質の身体を寄せ合って、足と足を絡めて、まるで赤茶色のパンケーキのようなイカダを作り、水が引くまで水上を漂うというのだ。また、このイカダをつくるのにかかる時間は2分以下で、一旦イカダを形成してしまえば1週間以上もこのままで漂い続けることが可能なのである。

 自分自身を救うために、自分の身体をイカダのパーツとして提供し、巣全体を生かすという、まさに自己犠牲と共生の見本のような生存術である。しかし、このアカヒアリのイカダも、決して安全な救命方法ではないらしく、集団で水の上に漂っているだけなので、鳥などのアリの捕食者にとっては絶好のご馳走になってしまう危険性があるそうだ。

 また、逆に人間などの他の生き物にとってもこのイカダは安全なものではなく、もし人間がうっかりこのイカダに触れしまうようなかことがあれば、即座にアリはバラバラになり、身体を這い上がってやたらに噛み付いてくるのである。迂闊に近づかないほうが身のためであろう。

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