毒物犯罪史の中でも高い完成度! ゾッとするほど恐ろしい「即死マスク」事件の犯行手口とは?

TOCANA / 2016年1月10日 8時0分

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【ヘルドクター・クラレのググっても出ない毒薬の手帳】

 一酸化炭素はその猛烈な毒性から、自殺だけでなく他殺にも使われています。無味無臭無刺激なので暗殺にはもってこい……。ですが、どれほど充満しているのか判別が難しく、気づいた頃には手遅れになり、使用者も死にかねないという、まさに諸刃の毒といえるものです。

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■一酸化炭素を使った殺人事件「手製毒ガス保険金殺人事件」

 時代は少し昔の1974年、山形。農家でボイラー技士の資格を持つ男性が、保険金目当てで妻を殺害した容疑で逮捕されました。その手口はまさに完全犯罪一歩手前。毒物犯罪史の中でも際だった完成度の高い犯罪です。

 事件が起こったのは自宅で営む椎茸用のビニールハウス内。

 時期的に3月とまだまだ寒いため、ビニールハウスには加温用に練炭コンロが置いてありました。そしてそこに足を踏み入れた容疑者の妻が一酸化炭素中毒で死亡したのです。

 現場検証が行われましたが、いくら調べても事故としか疑いようもなく、警察も妻の死を迎えた旦那がまさかの犯人とは露にも思わなかったそうです。

 しかしその後、その妻には数千万円を超えるすさまじい金額の生命保険がかけられていたことが生命保険会社の連絡により発覚。一気に疑惑の目が夫に向けられることになったわけです。

 徹底的な捜査の結果、数々の薬品や機材の購入履歴、さらには大学に一酸化炭素について聞いて回っていた事実なども浮かび上がったため、逮捕となりました。

■識者も驚く手口とは!?

 ボイラー技士の資格も持っていた犯人の男性は、一酸化炭素についての危険性はそれなりに知識を持っていたものと思われます。そして、様々な法医学の本や化学書を調べ上げ、一酸化炭素で殺害しようと決めたと自供しています。

 化学の分野で一酸化炭素が必要な場合は、硫酸とギ酸を混合したものを加熱して発生させる場合がほとんど。硫酸は汎用試薬なので比較的入手はし易いのですが、ギ酸は入手するのが非常に困難です。そこで、この犯人は代わりによく見つけた…といわんばかりの薬品にたどり着き、犯行に及びます。

 その薬品は薬局でも比較的容易に調達できるもので、硫酸とこの薬品を反応させると、“50%の一酸化炭素を持つモノ”が発生することを発見したのです。また、それだけでもかなり危険ですが、残りの50%には二酸化炭素が含まれていたため、水酸化ナトリウムを詰めたチューブを自作し、それをそこに通すことで除去していました。

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