借金、虐待、DV…国が見捨てた「非エリート風俗嬢」の実態! 坂爪真吾インタビュー

TOCANA / 2016年4月3日 19時0分

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 かつてはよく目にした性風俗店のギラギラした看板を繁華街で見かけることが少なくなり、それらにとって代わりデリヘルが隆盛の現在。見えにくくなったと言われる風俗であるデリヘルとそこで働く女性たちがどんな生活を送っているのか。そうした問題に、重度身体障がい者に対する射精介助サービスなどを行う一般社団法人「ホワイトハンズ」代表理事の坂爪真吾氏は、福祉の立場からどんな見方をするのか。『性風俗のいびつな現場』(ちくま新書)を出版した同氏に、性風俗の現場や福祉と風俗の関係などについて話を聞いた。

 坂爪さんは同書で他にも激安デリヘルではない風俗店、たとえば妊娠中の「妊婦ママ」や、母乳の出る産後間もない「母乳ママ」とのプレイが楽しめるという専門店も取材されています。その店では少ない時間でもかなり稼げるようですし、託児所まで設置されていてずいぶん環境は良いですね。

坂爪 取材したその店は幼い子どもたちのためにベビーシッターを3人雇い、女性が接客すると客1名につき500円を天引きされるだけで利用できる託児所があります。だけれども、そのお店で働ける女性というのは、容姿からして風俗の世界ではエリートで、デッドボールで働く女性が入店するのは難しいのが実情です。つまり、同じ性風俗のなかでも、ある程度好待遇なエリートとそうでない女性に乖離があります。この本を読んだ風俗で働く女性が、自分のお店はもっと平和で、貧困なんて聞いたことがないと感想を語ってくれたほどです。

――前回も聞いたのですが、なぜサンキューグループなどの激安風俗店で働くのでしょうか? 性風俗ではないアルバイトや、知的障害を抱えているならばそうした人を積極的に雇う場所で働けば良いじゃないかという意見をよく耳にします。

坂爪 アルバイトやパートだと、場合によっては生活保護費以下のワーキングプアに陥ってしまうんです。

 また、各自治体には障害者の就労支援があります、たとえば障害者がある人たちのための作業所で働くと、時給が良くても最低賃金ギリギリと、とにかく安いのです。それでは生活が成り立たない。彼女たちの多くが、知的障害者や精神疾患、借金などのハンディキャップを抱えています。ですからたとえば週に5日、1日数時間定期的に働くという仕事ができないんです。体の調子の良い時に、できるだけ短時間で高収入の仕事となるとどうしても風俗になってしまう。

――なるほど。たとえば、性風俗で働く女性にはシングルマザーが多いとも聞きますが、20~64歳までの単身女性の3人に1人が年収114万円未満というデータもあります。

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