両手の移植手術が初成功! 死者から手をもらった男「身体が再びひとつになった気分」=英

TOCANA / 2016年7月29日 7時0分

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 移植技術の発展と免疫抑制や感染症対策の進歩によって、臓器移植手術の成功の話にもそれほど驚かなくなってきている。とはいえ、指の機能回復まで含んだ手足の移植手術の成功例はまだまだ少ない。イギリスの「DaliyMail」紙によれば、このたびイギリス国内で2例目となる手の移植、しかも両手の移植としては初となる手術の成功が報告されたとのことである。いったいどんな手術だったのか、詳細に迫ってみよう。

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■12時間に及ぶイギリス初の両手移植手術

 サウス・ヨークシャー州ロッシントン出身の57歳になるクリス・キング氏が、金属プレス機械に挟まれて両手の親指を除くすべての指を失ったのは、3年前のことである。本人によれば、事故後の回復手術によって、痛みも事故での大きなトラウマも残らなかったが、職場復帰後は事故のあった現場に入ると嫌な音が聞こえてくるようで、早々に部屋を立ち去りたくなる時があるとのことだ。

 その後、機能回復のために何度か近くの都市シェフィールドにある専門医チームとの話し合いを持ったが、キング氏は「何かが違う。もっといい方法があるはずだ」と考え続けていた。

 ある日、そのシェフィールドの専門医の1人が、2012年にイギリス初の手の移植手術を成功させたリーズ総合診療所のサイモン・ケイ教授に助言を求めたことがきっかけで、キング氏の移植手術の計画はスタートすることとなった。キング氏は、2012年にケイ教授のイギリス初の手の移植手術を受けたヨークシャー州のパブのオーナーであるマイケル・ケーヒル氏からも励ましを受け、手術の準備は進んでいった。

 手の移植手術は、まだ世界でも80例ほどしか行われておらず、1施術あたり6時間から12時間にも及ぶ複雑なものであるという。

 手術のおおまかな流れは次の通りである。まず、ドナー(手の提供者)とレシピエント(手を受け取る患者)は、別々の手術チームによって移植準備のために、それぞれの手の切り離しが行われる。ドナーから切り離された手は、まず患者の腕から伸びる尺骨と橈骨それぞれに複雑骨折の修復に使用するようなチタン製プレートとボルトで固定される。

 その後、主要な腱と筋肉を結合した後に手術用マイクロスコープを使用して、8本の血管の結合を行う。その後主要な3本の神経をつないだ後に残された血管をつなぐ。ここで、血流を回復させた後に、残された腱、筋肉、神経をつないでいくとのことである。

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