【史上初】ネアンデルタール人とデニソワ人の“ハイブリッド少女”の骨を発見! 遺伝学的に乖離があるのになぜ… 太古のミステリー!

TOCANA / 2018年9月18日 7時30分

 我々現生人類であるホモ・サピエンスに最も近い化石人類であるネアンデルタール人(約40万年前~2万数千年前)とデニソワ人(約4万1千年前)。彼らが数万年間にわたってこの地球上で共存していたことは判明済みだが、最近になりネアンデルタール人とデニソワ人の間に生まれた子どもの存在が初めて確認され、これにより両者が遭遇し、交配していたことが明らかになった。


■ネアンデルタール人とデニソワ人の両親を持つ少女の歯と骨

 2008年にシベリアのアルタイ山脈にあるデニソワ洞窟で2、3個の歯と骨が発見されたデニソワ人については、その存在を示す骨が少ししか見つかっておらず、まだ解明されていない部分が多い。

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 これまでの研究では、デニソワ洞窟で発見されたわずか6人のゲノム解析を行うところまでが終了している。

 今回研究対象となったのは、2012年に同洞窟で発見されたわずか2.5センチほどの骨の断片で、ドイツのマックス・プランク進化人類学研究所率いるチームが調査したものだ。

「デニソワ11」と呼ばれるその骨と、周辺に2千以上もあった骨片や粉から抽出されたタンパク質を分析して、まずこれが動物ではなく人間のものであることを確認。

 さらに放射性炭素年代測定法の結果から、この骨が脛骨もしくは大腿骨でおよそ5万年前のものであること、そしてゲノム解析を施してネアンデルタール人(母)とデニソワ人(父)の両親を持つ、13歳前後の少女のものであったことが判明したのである。

 チームのひとりで古代遺伝学者であるビビアン・スロン博士によれば、ネアンデルタール人とデニソワ人は39万年ほど前に種の系統が分かれたという。遺伝学的にかなり乖離があるため、両者の遭遇はそう頻繁なものではなかったと推測されているが、実際にどのくらいの頻度で交配が行われていたかについての詳細はまだ不明のようだ。


■デニソワ洞窟にはまだ多くのものが埋まっている

 研究では少女のデニソワ人の父親には、300~600世代さかのぼった祖先にも少なくとも1人のネアンデルタール人がいることがわかっており、デニソワ11のたった一つしかないゲノムから、ネアンデルタール人とデニソワ人の交配が複数例あったことが発見可能であるという。

 遭遇が稀であったにせよ、出くわした際には両者が子どもをもうけていた可能性は高く、デニソワ11によりそれが立証される形となった。

 一方、デニソワ洞窟では初期のネアンデルタール人の骨も見つかっているが、少女のネアンデルタール人の母親については、遺伝的に西ヨーロッパ寄りのネアンデルタール人に類似した特徴が見られるようだ。

 つまり、ネアンデルタール人は何万年もの間、西ヨーロッパとユーラシア東部で移動や移住をしていたことを示唆している。その後はデニソワ人共々、現生人類に取って代わられてしまい、滅亡したと考えられている。

 デニソワ洞窟にはまだまだ多くのものが埋まっているといわれ、現在でも研究者らはこれまでに発見された何千もの骨断片のみならず、同様に洞窟内でたまった沈殿物などからも古代人についての手がかりとなるものを探し続けているという。

 その気の遠くなるような作業と忍耐が実を結び、人類の歩みの全容に近づくことを期待したい。
(文=Maria Rosa.S)


※イメージ画像は、「Thinkstock」より

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