AIが「どんなに高度化しても絶対に答えられない問題」があると判明! 数学と哲学の謎… 人工知能の限界露呈!

tocana / 2019年1月18日 7時0分

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 AI(人工知能)にも解決できない問題があることが明らかになった。

 科学ニュース「Live Science」(1月11日付)によると、AIの“欠陥”には、その基礎にある数学の“欠陥”が関係しているという。

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 この度、イスラエル工科大学のアミール・イェフダイオフ氏らはEMX(Estimating the Maximum、最大値推定)と呼ばれる学習プログラムを開発し、AIの学習能力に限界があることを証明したという。

 EMXは次のようなアルゴリズムを持つプログラムだ。

 あなたは自分のウェブサイトの広告がクリックされる回数を最大化したい。しかし、あらかじめどんな好みを持つ人がこれから訪問してくるかは分からない。この状況の中で、あなたはサイトを訪問する少数のユーザーの傾向から広告の効果を最大化しなければならない。

 ここで焦点となるのは、「いつこの問題は解決されるか?」という問いだ。

 EMXが問題となるのは数学の欠陥に由来する。1931年、オーストリア出身の論理学者クルト・ゲーデルが不完全性定理を証明して以来、数学は壊れてしまっているからだ。ゲーデルは、数学のあらゆる系には決して答えることのできない問いがあることを「不完全性定理」で証明した。それは数学者の能力が及ばないからではない。単に答えがないからだ。

 そして、ゲーデルと米国の数学者ポール・コーエンは、他にも類似した問題があることを突き止めた。「連続体仮説」である。それは次のようなものだ。

 数学の集合論ではサイズの違う無限があることになっている。たとえば、整数(1、2、3、4,5...)の無限集合と、実数(1.8、5222.7、円周率など)の無限集合では、実数の無限集合の方が整数の無限集合よりも大きいのだ。だがここで問題が浮上する。整数の無限集合より大きく、実数の無限集合より小さい無限集合Xは存在するのだろうか?(整数の無限集合<X<実数の無限集合)。

 連続体仮説では、Xは存在しないと予想された。しかし、ゲーデルとコーエンは、連続体仮説は真でも偽でもないことを証明してしまったのだ。連続体仮説に答えはないのである。

 今月7日、科学誌「Nature Machine Intelligence」に掲載した論文において、イェフダイオフ氏らは、この連続体仮説の決定不可能性がEMXにも関係していることを明らかにした。つまりこういうことだ。

 連続体仮説が真、つまり無限集合Xが存在しないとすれば、EMXは解決可能。連続体仮説が偽、つまり無限集合Xが存在するとすれば、EMXは解決不可能。ところが、連続体仮説が決定不可能である以上、EMXも解決不可能な問題となる。

 無限の可能性を秘めていると思われたAIに限界があることが分かったのは驚愕に値するだろう。しかし、連続体仮説で数学の営み自体が頓挫したわけではないことからも予想できるように、EMXによりAIの機械学習が完全に不可能となるわけではないようだ。

 今後もAIは、“数学の限界内”において有益なツールとして我々の役に立ってくれることだろう。
(編集部)

イメージ画像:「Getty Images」より

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