【西武】栗山巧「たまたまっすよ」わざわざ車を止めて少年にプレゼントした〝聖人伝説〟

西武・栗山巧

西武は２６日のソフトバンク戦（みずほペイペイ）に４―２で逆転勝ち。今季の対戦を８勝１７敗で終えた。試合を決めたのは２３年目の「ミスター・ライオンズ」こと栗山巧外野手（４１）のひと振りだった。

１―２で迎えた９回に二死満塁まで追い詰められ、代打で登場した栗山はオスナが投じた初球の直球を中前へ運び、逆転の２点適時打。お立ち台では「ええことやなと思って。やってやろうと。そんな気持ちでした」と話し、４番手で登板した３年目・羽田慎之介投手（２０）にプロ初勝利が転がり込んだことには「本当に羽田は将来性豊かな素晴らしいピッチャー。本当は中継ぎとしてじゃなく先発として初勝利と思っていたんですけど。本人もうれしいんじゃないでしょうか」。周囲への敬意を忘れない満点回答を繰り出した。

中村とともにチームのレジェンドとなっている栗山の〝聖人伝説〟には枚挙にいとまがない。今から数年前の自主トレ期間中には、こんな出来事もあった。公道でライオンズの帽子をかぶり、自転車に乗っていた少年に気づいた栗山がわざわざ車を止め、サインボールを手渡してくれたという投稿がＳＮＳ上に拡散されたことがあった。

真偽を栗山に確認すると「いやいやいや、たまたまっすよ。球場から家に帰るいつもの通りでライオンズの帽子をかぶった少年がいたので、次に会ったらあげようかなと思っていた」と照れながらも事実と認めた。その野球少年が今どうしているのかは定かでないが、こんなことをしてもらった記憶は一生忘れることはないだろう。

目の前のことに全力で取り組む。出会った人との縁を忘れない栗山らしいエピソードだった。