【広島】同じ〝国産打線〟の岡田阪神の違いは…明確に出たスタメン組の「得点圏打率」の差
東スポWEB / 2024年9月28日 6時8分
セ4位の広島は27日の阪神戦(マツダ)で延長12回の末、3―2とサヨナラ勝ち。連敗を4で止め、再び勝率を5割に引き戻した。
2―2の同点で「敗戦」がなくなって迎えた延長12回裏。敵失に乗じて一死二塁の好機をつくった。ここで打率2割4分台ながらも、試合前まで得点圏打率2割8分とチームの中ではポイントゲッターとしての能力を誇る代打・末包昇大外野手(28)が〝ここぞの場面〟で右翼へのサヨナラ二塁打を放ち、試合を決めた。
試合後の新井貴浩監督(47)も「よくスエが打った」とニッコリ。ひとまず連敗脱出に安どの表情を見せた。試合前まで9月は4勝18敗。勝負どころで、混戦模様のマッチレースで完全に抜き去られた2位・阪神にも直近の9月は2戦2敗と屈していただけに、何とか一矢報いた形だ。
とはいえ、この日相まみえた虎との〝差〟は浮き彫りとなっている以上、やはり検証しなければいけない。広島が歴史的急失速を招いてしまった背景には、9月のチーム打率がリーグ最下位の2割4分に沈み、1試合平均でわずか3得点以下に抑え込まれている打線の破壊力不足が原因に挙げられる。その一方で、今季の阪神も赤ヘルと同様に外国人選手抜きの「国産打線」。9月の1試合平均得点も4点台と、ずば抜けて高いわけではない。
ただし、試合前までの時点でも決定的に違っていたのが、先発組の勝負強さ。阪神は1番・近本や中軸に座る森下、佐藤輝、大山の3人が軒並みリーグトップ10に入る3割台の得点圏打率を誇っており、それらの数字は各個人の通算打率よりも高い。これに対して広島では各々の通算打率よりも高い数値をマークしていたのは、2試合続けて3番に抜てきされた矢野(得点圏打率2割9分5厘)と小園(同3割5分4厘)の2人のみ。残る面々はせいぜい横ばいか、通算アベレージよりも低くなっていたのが現状だ。
そうした中、今季の通算打率で2割8分近い数字がありながらも試合前まで得点圏打率2割2分台だった坂倉が、この日は初回に二死から2点先制適時打を放つなど、少ない好機を結果に結びつける〝勝負強さ〟を生かして何とかロースコアを制した。ここまで9月はわずか4本塁打と今後もチームの長打力は多くを望めない可能性が高い。それでも何とか各選手が追い込まれた状況から猛奮起につなげることこそが、1ゲーム差で追走する3位・DeNAを残り6試合で追い抜き、逆転Aクラス入りを果たす鍵を握りそうだ。
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